未知の味
時々、クラウド達はお酒を飲む。
どんな味なんだろう。そう思って手を伸ばせば、まだ早いとエアリスに止められた。
「お酒っておいしいの?」
「んー、人によるんじゃないかな」
そう言ってエアリスが笑う。
ティファは少しならおいしいと、そう言っていた。
目の前のお酒を見ると、シドが抱き付いて”うまいぞ、飲んでみるか”なんて声をかけてくる。
その息は何とも言えない臭いがして、やっぱりお酒への興味なんて無くなった。
「シド、部屋に戻るぞ」
重いとそう言おうと思ったら、ヴィンが助けてくれた。
それを見て、エアリスがパンパンと大きな音で二回手をたたいた。
「もう今日は終わり!ね?」
その言葉に、もうこんな時間かとみんなが立ち上がり始めた。寝てしまったバレットはティファが起こしていた。
何時飲んだのかユフィも寝てしまっていて、ティファと
エアリスが苦笑いしながら運ぶ。私は一番最後、その後ろをついて部屋に戻った。
ユフィの寝顔は幸せそうだし、お酒を飲んでいるときのみんなは少しだけ楽しそうに私には見えた。
「ねぇ、エアリス」
「なぁに?」
「この旅が終わって・・・大人になったら
私ともお酒飲んでくれる?」
「もちろん」
楽しみだね。そうエアリスは笑った。
(2016/01/24)
元拍手のおまけ。