01.Wish upon a star Log
ほんの少しのわがままを(2017/04/26)
手を繋ぎたいな、なんて。思ってはみても、何だか気恥ずかしくて、アーリアは数センチ隣の手のひらを見つめた。
しかし、彼女の隣を歩くサイファーは前を見ており、アーリアの視線に気づくことは無い。
「~~~、っ」
えい。
「―――っ!」
サイファーの中指に、 の細い指が絡まった。
相当恥ずかしいのだろう、彼女は朱に染まった顔を俯かせて、緑の瞳は右往左往。
「嫌―――?」
「いや別に、」
つられて恥ずかしくなったのか、歯切れの悪い返事だった。
「―――ただよ、アーリア」
彼は左手で、ゆっくりと の指を解いた。そして、自由になった右手で手のひらごとアーリアの指を握って見せた。
「そんなんじゃ、足りねぇだろ」
手を繋ぎたいな、なんて。思ってはみても、何だか気恥ずかしくて、アーリアは数センチ隣の手のひらを見つめた。
しかし、彼女の隣を歩くサイファーは前を見ており、アーリアの視線に気づくことは無い。
「~~~、っ」
えい。
「―――っ!」
サイファーの中指に、 の細い指が絡まった。
相当恥ずかしいのだろう、彼女は朱に染まった顔を俯かせて、緑の瞳は右往左往。
「嫌―――?」
「いや別に、」
つられて恥ずかしくなったのか、歯切れの悪い返事だった。
「―――ただよ、アーリア」
彼は左手で、ゆっくりと の指を解いた。そして、自由になった右手で手のひらごとアーリアの指を握って見せた。
「そんなんじゃ、足りねぇだろ」
ただイチャイチャさせたかっただけ(2017/05/24)
キスの日だと聞いた。だから、アーリアはサイファー部屋で、彼の袖を引っ張った。
密室に二人きりなんて中々ないシュチュエーションだ。
「どうした?」
至極優しくサイファーは聞いた。
途端恥ずかしくなったアーリアは、「キスをしよ?」なんて言えなくて、視線が彼の口元を右往左往。
「ん」
「?―――っ!!」
目を閉じて顔を向けたアーリアに、その意図を理解したサイファーは思わず口元に手を押しあてた。 これってそう言うことだよな?なんて自分自身に何度か問うてから、彼女の頬に手を添える。
びくり。
アーリアは一度だけ身を震わせたが、目を開いたり、拒むことはしない。
「アーリア」
短くアーリアを呼んだ。
それからは一瞬で。
弾かれるようにその唇に口付けるだけだった。
キスの日だと聞いた。だから、アーリアはサイファー部屋で、彼の袖を引っ張った。
密室に二人きりなんて中々ないシュチュエーションだ。
「どうした?」
至極優しくサイファーは聞いた。
途端恥ずかしくなったアーリアは、「キスをしよ?」なんて言えなくて、視線が彼の口元を右往左往。
「ん」
「?―――っ!!」
目を閉じて顔を向けたアーリアに、その意図を理解したサイファーは思わず口元に手を押しあてた。 これってそう言うことだよな?なんて自分自身に何度か問うてから、彼女の頬に手を添える。
びくり。
アーリアは一度だけ身を震わせたが、目を開いたり、拒むことはしない。
「アーリア」
短くアーリアを呼んだ。
それからは一瞬で。
弾かれるようにその唇に口付けるだけだった。
性癖チェック「相手が死ねば世界はたすかるし、相手側ももう死ぬ覚悟はしている」(2017/07/04)
恩返しだと彼は言っていた。世界中を恐怖に陥れた罪を清算する日がきたのだと。
「サイファー」
触れると冷たさだけが返ってくる。
サイファーが死ねば世界が助かると聞いた日、彼は柵から解放されたかのように笑っていた。そして、そのまま消えてしまった。
もう火葬も済まされたサイファーは土の下にいる。以来、アーリアは水も食べ物も取らなくなった。
「早く、会いたいなぁ」
カサついた指先でもう一度墓石に触れた。今はただ朽ちていくことだけが心地よかった。
恩返しだと彼は言っていた。世界中を恐怖に陥れた罪を清算する日がきたのだと。
「サイファー」
触れると冷たさだけが返ってくる。
サイファーが死ねば世界が助かると聞いた日、彼は柵から解放されたかのように笑っていた。そして、そのまま消えてしまった。
もう火葬も済まされたサイファーは土の下にいる。以来、アーリアは水も食べ物も取らなくなった。
「早く、会いたいなぁ」
カサついた指先でもう一度墓石に触れた。今はただ朽ちていくことだけが心地よかった。