Eternal Oath

シドさんに頼んで雇う事の出来たSeeDは四人だった。

金髪の元気そうな男の子―ゼル―
茶髪に外はねのやっぱり元気そうな女の子―セルフィ―
優しそうな顔をしているのに無表情な女の子―アーリア
そして、かっこいい顔に似合わない額の傷の男の子―スコール―

みんな私と同じくらいの子ばっかりでびっくりしたけど、大丈夫だよね?プロだもんね!
・・・でも、スコールが居たのはちょっと嬉しかったかな。

14.彼女の気持ち


SeeDに頼んだ初めての仕事は、ガルバディア大統領の拉致。さすがSeeDなだけあって、みんなはすんなり大統領を拉致してくれた。
ここからは私の仕事。緊張するけど逃げちゃだめだよね?
きゅっと口を結んで、震えそうな足を何とか止めて、私は自分の名前を大統領に名乗った。

「待って」
「え・・・?」

大統領のほうへ進む、その時に左手を誰かに掴まれた。
その行動を咎めるような声が出るけれど、アーリアは構わず剣を抜いた。
どーゆうことなの?
大統領と話しなきゃ意味ないんだよ?

アーリア?」

振りぬかれた剣は、大統領の体を切った。普通の人間ならば命を落とすだろう攻撃。
しかし、大統領は体制をくずしただけだった。
驚く私達を尻目に、大統領はモンスターへと姿を変えていく。・・・偽物だなんて全然気付かなかった。


……レイズ!!」


アーリアの魔法に呼応して、モンスターは崩れ落ちた。


「・・・すごい」


思わず、呟いた。
だって、正直アーリアがこの中で一番弱そうに見えたんだもん。

身長はセルフィと同じくらいだけど、顔立ちはセルフィよりも少し幼いし。
何よりも、少し垂れた緑の目は、腰に装備された小さめの剣や同じく小さめな銃が不釣り合いなほど優し気だから。

ほら、さっきから大丈夫?って話しかけてくれる彼女はこんなに優しい。

「ありがとう
大丈夫だよ」
「・・・そっか」

言葉こそ短いけど、一瞬だけ・・・一瞬だけだけどアーリアの目が柔らかく細められて。

「(笑った?)」

すぐにスコール達の所へ戻ってしまったけれど、なんかいいもの見ちゃった、かな?
リノアー!早くー!
そうセルフィが私を呼ぶ声に、ようやく私は動き出す。



いつかアーリアがたくさん笑えればいいって思った。


(2015/01/01)
(2016/08/14修正)