ガルバディアガーデンで新たに指令が下される。
・・・指令内容は魔女の暗殺だ。
ガルバディアで行われる魔女の就任パレードに乗じて、ライフルで狙撃する。
ガルバディアガーデンのゲート前に整列する。
そこでバラムガーデンからの新たな命令を聞いた。
「アーヴァイン・キニアスだ
狙撃は彼が完璧にやり遂げるだろう」
魔女を狙う狙撃手として、一人の男が呼ばれる。
茶色の長い髪を後ろで一本に縛り、帽子を深くかぶった男は、整列する達の前に来るとしげしげと全員の顔を覗き込んだ。
懐かしそうに、スコールとゼルを。
少しの畏怖はあるものの、やはり懐かしそうにキスティスを。
特別に、みんなの倍の時間をかけてセルフィを。
少し鼻の下を伸ばして、リノアを。
順々に眺め、ぴたりとの前で足を止めた。
人形が居る、とアーヴァインは思った。表情の無い整った顔、ビー玉のような瞳。
偶にする瞬きだけが彼女が人形ではない事を告げていた。
「(この子・・・)」
とても危ない子だ。
「さ~て、デリングシティまでのパーティを決めるってことで」
セルフィとリノアとを指名しアーヴァインはそう言った。
スコールとキスティスは、目配せをすると頷いてそれを快諾。
アーヴァインに噛みつくゼルを連れてさっさとデリングシティ行きの駅をめざし歩き始める。
道中で話すのは、の事。
話についていけないゼルは、それでも彼女が変な事には薄々気づいており、黙ってそれを聞いた。
「私、の事って苦手だったわ」
先ほど、応接室で行われた会話と似た会話。
口火を切ったのはキスティスだった。
「私以外の教師にはすごく人気があったけれど・・・
いつも同じ表情で、手もかからないけれどその分不気味だった」
「(俺だって似たようなものだろ)」
「あなたの様に何を考えているのか分ればそれも変わったのかもしれないけれど」
自身の考えを見抜かれたようなキスティスの言葉に、スコールは眉間にしわを寄せる。
それにキスティスは吹き出し、更にスコールは機嫌を悪くする。その空気を手を払う事で払拭し、キスティスは続きを話した。
「私はに関わる機会って少なかったから、結局良く分らないまま
それでも、他の子は・・・どんなに地味な子でも苦手な事とか好きな事とかある程度は伝わってくるものだけれど
彼女はそれすらなかった
私が知っているのは彼女が優秀なおりこうさんってことだけよ」
「(そう言えば俺も知らないな)」
そこまで話して、肩を竦めて軽く溜息をつく。
「その様子じゃ、あなたも何も知らなそうね」
いつもの様にスコールの様子を見て、キスティスは肩を竦める。
それに内心イラつきながらも、スコールは一つ思い出す。
それは、がガーデンに来たばかりの頃。まだ、SeeDとしての訓練も本格的ではなかった頃の話だ。
「は、時々・・・」
「時々?」
「いや、なんでもない」
「そりゃねぇだろ」
思わず聞いてただけのゼルも声を上げる。
そう、ガーデンに来たばかりの頃。
彼女は何度かとても暗い目をすることがあった。
その目が何だったのか、スコールには分らなかった。きっとずっと分からないとスコールは思った。
(2015/01/01)
(2016/08/14修正)
・・・指令内容は魔女の暗殺だ。
ガルバディアで行われる魔女の就任パレードに乗じて、ライフルで狙撃する。
18.日中の星
ガルバディアガーデンのゲート前に整列する。
そこでバラムガーデンからの新たな命令を聞いた。
「アーヴァイン・キニアスだ
狙撃は彼が完璧にやり遂げるだろう」
魔女を狙う狙撃手として、一人の男が呼ばれる。
茶色の長い髪を後ろで一本に縛り、帽子を深くかぶった男は、整列する達の前に来るとしげしげと全員の顔を覗き込んだ。
懐かしそうに、スコールとゼルを。
少しの畏怖はあるものの、やはり懐かしそうにキスティスを。
特別に、みんなの倍の時間をかけてセルフィを。
少し鼻の下を伸ばして、リノアを。
順々に眺め、ぴたりとの前で足を止めた。
人形が居る、とアーヴァインは思った。表情の無い整った顔、ビー玉のような瞳。
偶にする瞬きだけが彼女が人形ではない事を告げていた。
「(この子・・・)」
とても危ない子だ。
「さ~て、デリングシティまでのパーティを決めるってことで」
セルフィとリノアとを指名しアーヴァインはそう言った。
スコールとキスティスは、目配せをすると頷いてそれを快諾。
アーヴァインに噛みつくゼルを連れてさっさとデリングシティ行きの駅をめざし歩き始める。
道中で話すのは、の事。
話についていけないゼルは、それでも彼女が変な事には薄々気づいており、黙ってそれを聞いた。
「私、の事って苦手だったわ」
先ほど、応接室で行われた会話と似た会話。
口火を切ったのはキスティスだった。
「私以外の教師にはすごく人気があったけれど・・・
いつも同じ表情で、手もかからないけれどその分不気味だった」
「(俺だって似たようなものだろ)」
「あなたの様に何を考えているのか分ればそれも変わったのかもしれないけれど」
自身の考えを見抜かれたようなキスティスの言葉に、スコールは眉間にしわを寄せる。
それにキスティスは吹き出し、更にスコールは機嫌を悪くする。その空気を手を払う事で払拭し、キスティスは続きを話した。
「私はに関わる機会って少なかったから、結局良く分らないまま
それでも、他の子は・・・どんなに地味な子でも苦手な事とか好きな事とかある程度は伝わってくるものだけれど
彼女はそれすらなかった
私が知っているのは彼女が優秀なおりこうさんってことだけよ」
「(そう言えば俺も知らないな)」
そこまで話して、肩を竦めて軽く溜息をつく。
「その様子じゃ、あなたも何も知らなそうね」
いつもの様にスコールの様子を見て、キスティスは肩を竦める。
それに内心イラつきながらも、スコールは一つ思い出す。
それは、がガーデンに来たばかりの頃。まだ、SeeDとしての訓練も本格的ではなかった頃の話だ。
「は、時々・・・」
「時々?」
「いや、なんでもない」
「そりゃねぇだろ」
思わず聞いてただけのゼルも声を上げる。
そう、ガーデンに来たばかりの頃。
彼女は何度かとても暗い目をすることがあった。
その目が何だったのか、スコールには分らなかった。きっとずっと分からないとスコールは思った。
(2015/01/01)
(2016/08/14修正)