デリングシティに着くなり腕試しをさせられ、漸く暗殺の依頼主であるカーウェイ大佐の家へと招かれた。
そこで起きたのは予想外の事態。
「リノアのお父さん・・・」
カーウェイはリノアの父親だった。
カーウェイの家で、暗殺の説明を聞く際、思わずというような形でアーリアが呟いた。
めったに余計なことを話すことのない彼女がそう呟いたことに、スコール達は驚く。
「そう呼んでもらえなくてずいぶんになる」
アーリアは一瞬、暗い光を瞳に写し、また元の目に戻った。
まただとスコールは思った。
「仕事に関係のない言って申し訳ありませんでした」
そう言って軽く頭を下げる。
気にしてないと言う風にカーウェイはアーリアを一瞥し、実際に暗殺を行う大統領邸や凱旋門まで移動し、説明を行った。
パーティは二つ。
一つは狙撃班。アーヴァインの補佐である。
もう一つは凱旋門班。魔女の就任パレードの際タイミングを見て凱旋門に魔女を閉じ込める班だ。
どちらも、失敗したらすぐにバトルへと向かう。
「アーリアは、俺と共にアーヴァイン・キニアスの補佐を
キスティス先生は凱旋門班の指揮を頼む」
「「了解」」
スコールの指示に従い、仕事が始まる。
アーリアが狙撃班なのは、狙撃失敗の際、真っ先に魔女とバトルをするのは狙撃班であるからだ。
「なぁ、SeeDは仕事の時に何故って聞かないって本当か?」
スコールにそう問いかけるアーヴァインの話を聞きながら大統領邸へと向かう。
魔女の演説が終わり、パレードが始まったら、入れ替わりに大統領邸へと侵入する予定だ。
凱旋門にキスティス達を残すと人だかりが見えた。
魔女の登場を待つ目にはどれも熱狂的な光が灯っている。
それが魔女の魔法なのだろうか。そうアーリアは思う。
―――ワァッ
聴衆から歓声が上がる。どうやら魔女が出てきたようだ。
壇上を見上げ、アーリア達は驚きたじろぐ。
「リノア!・・・っ!」
そこにはリノアがいた。
反射的に駈け出そうとしたアーリアはスコールとアーヴァインの両者から止められる。
それから逃れようとするものの、力では二人に遠く及ばなかった。
「リノアが」
「今入っていったら僕らのこと気付かれちゃうよ」
「離して」
「門が開かなければ侵入できない」
壇上では大統領を魔女が燃やしていた。
ゴミを見るように聴衆を見ていた視線を、大統領へと写し、その遺体を投げすてた。それを見ても悲鳴の一つも上がらない様子を見ると、やはり何らかの魔法を掛けられているのだろう。
パレードへ向かうため壇上から降りた魔女の代わりに、二体のモンスターが壇上へ飛び乗った。
「生贄だ」
「魔女に逆らう女に死を」
逃げるリノアと聴衆から聞こえた声に、アーリアはさらにもがく。
その抵抗は、門が開きパレードが始まりぴたりととまる。
パレードの―――魔女の隣に立つサイファーが見えたからだ。
「サイファー!?」
「生きていたのか・・・」
アーリアとスコールは、そちらを見足を止めた。
「二人とも!何してるんだよ」
雑踏を切り裂くアーヴァインの声に、リノアの方が緊急だと思い直し、二人は走った。
「(良かった
サイファー・・・)」
安堵の光がアーリアの眼に灯った。
(2015/01/01)
(2016/08/14修正)
そこで起きたのは予想外の事態。
「リノアのお父さん・・・」
カーウェイはリノアの父親だった。
19.相見える
カーウェイの家で、暗殺の説明を聞く際、思わずというような形でアーリアが呟いた。
めったに余計なことを話すことのない彼女がそう呟いたことに、スコール達は驚く。
「そう呼んでもらえなくてずいぶんになる」
アーリアは一瞬、暗い光を瞳に写し、また元の目に戻った。
まただとスコールは思った。
「仕事に関係のない言って申し訳ありませんでした」
そう言って軽く頭を下げる。
気にしてないと言う風にカーウェイはアーリアを一瞥し、実際に暗殺を行う大統領邸や凱旋門まで移動し、説明を行った。
パーティは二つ。
一つは狙撃班。アーヴァインの補佐である。
もう一つは凱旋門班。魔女の就任パレードの際タイミングを見て凱旋門に魔女を閉じ込める班だ。
どちらも、失敗したらすぐにバトルへと向かう。
「アーリアは、俺と共にアーヴァイン・キニアスの補佐を
キスティス先生は凱旋門班の指揮を頼む」
「「了解」」
スコールの指示に従い、仕事が始まる。
アーリアが狙撃班なのは、狙撃失敗の際、真っ先に魔女とバトルをするのは狙撃班であるからだ。
「なぁ、SeeDは仕事の時に何故って聞かないって本当か?」
スコールにそう問いかけるアーヴァインの話を聞きながら大統領邸へと向かう。
魔女の演説が終わり、パレードが始まったら、入れ替わりに大統領邸へと侵入する予定だ。
凱旋門にキスティス達を残すと人だかりが見えた。
魔女の登場を待つ目にはどれも熱狂的な光が灯っている。
それが魔女の魔法なのだろうか。そうアーリアは思う。
―――ワァッ
聴衆から歓声が上がる。どうやら魔女が出てきたようだ。
壇上を見上げ、アーリア達は驚きたじろぐ。
「リノア!・・・っ!」
そこにはリノアがいた。
反射的に駈け出そうとしたアーリアはスコールとアーヴァインの両者から止められる。
それから逃れようとするものの、力では二人に遠く及ばなかった。
「リノアが」
「今入っていったら僕らのこと気付かれちゃうよ」
「離して」
「門が開かなければ侵入できない」
壇上では大統領を魔女が燃やしていた。
ゴミを見るように聴衆を見ていた視線を、大統領へと写し、その遺体を投げすてた。それを見ても悲鳴の一つも上がらない様子を見ると、やはり何らかの魔法を掛けられているのだろう。
パレードへ向かうため壇上から降りた魔女の代わりに、二体のモンスターが壇上へ飛び乗った。
「生贄だ」
「魔女に逆らう女に死を」
逃げるリノアと聴衆から聞こえた声に、アーリアはさらにもがく。
その抵抗は、門が開きパレードが始まりぴたりととまる。
パレードの―――魔女の隣に立つサイファーが見えたからだ。
「サイファー!?」
「生きていたのか・・・」
アーリアとスコールは、そちらを見足を止めた。
「二人とも!何してるんだよ」
雑踏を切り裂くアーヴァインの声に、リノアの方が緊急だと思い直し、二人は走った。
「(良かった
サイファー・・・)」
安堵の光がアーリアの眼に灯った。
(2015/01/01)
(2016/08/14修正)