学園長を見つけると、この学園自体がシェルターとなっており動かせると教えてくれた。
学園の混乱を収めるためにアーリアと校門にいた教師が、学園を動かすため学園の地下層にスコール達が向かう。
痛いを超え、もはや何も感じなくなった傷を抑え、アーリアはそれを聞いていた。
「アーリア」
「はい?なんですか」
「いえ・・・」
いつもより顔色が悪く見え、シドはアーリアを引き止めた。
しかし、その返答が予想以上にはっきりしていて、シドは安心する。
それはスコール達も同じで、安心してスコール達はMD層へ向かった。
アーリアが怪我をしていたのは知っていたが、教師も一緒であるし、説得するだけなら無理をすることもないだろう。
そう、思った。
実際には校門に居た教師の様にモンスターを召喚する者が多いとも知らずに。
* * *
実際にMD層から帰ってきた三人が見たものは、保健室のベッドに横たわるアーリアと、険しい顔で三人を見つめるカドワキだった。
「アーリア!?」
「三人とも、ここに座りなさい」
静かな声で、カドワキが言った。訝しげな表情をしつつも、三人はそれに従う。
その声は明らかな批判を含んでいた。
「アーリアは?」
「マスター派を全部説得し終わったところで、倒れたそうだよ」
ため息交じりに、説明された。
説教をするような雰囲気に、三人は眉間にしわを寄せる。自分達だって大変だったのだ。
「単刀直入に言うけどね、アーリアが目を覚ますかどうかは分らない」
その言葉に三人は息を飲む。
寝たままの彼女は白い顔で浅く呼吸を繰り返していた。
「死んじゃうかもって事・・・?」
「簡単に言うとそういう事だよ」
「そんなにアーリアの怪我はひどいんですか?」
ゼルの言葉にカドワキは眼を見開く。
「ひどいなんてもんじゃないよ!
あんた達一体アーリアに何をさせてきたんだい!?」
思わず語気を荒げてカドワキは言った。
知らないではすまされないと思った。なぜなら、彼女は彼らの所為で生死の境を彷徨っているのだから。彼らが気づくことさえできればこうはなっていない。そうカドワキは怒鳴った。
自身を落ち着けるために、大きく息を吐き、カドワキはアーリアの顔を見る。
「まず、アーリアがこうなった主な原因だけど、脇腹に何かが貫通してできた傷だよ」
「・・・」
「でも、それだけが原因じゃない」
気づけていれば、でもまだ子供の彼らにそれは難しい注文なのかもしれない。
それでも。
「手当はされてるみたいだけどね、これは動けるような傷じゃないよ
本来ならね
熱だけでも立ち上がることが辛かったはず・・・」
その言葉にスコールはリノアの言葉を思い出す。確かにすごい熱だと言われたはずだ。
それでも緊急と言う理由をつけて彼女を慮ることはしなかった。その結果だと痛いほど理解をする。
「アーリア・・・ごめんね、私のせいで」
泣きながら話しかけるリノアに、俺のせいだと叫んでしまいたくなった。
(2015/01/01)
(2016/08/14修正)
学園の混乱を収めるためにアーリアと校門にいた教師が、学園を動かすため学園の地下層にスコール達が向かう。
痛いを超え、もはや何も感じなくなった傷を抑え、アーリアはそれを聞いていた。
25.奔走、説教
「アーリア」
「はい?なんですか」
「いえ・・・」
いつもより顔色が悪く見え、シドはアーリアを引き止めた。
しかし、その返答が予想以上にはっきりしていて、シドは安心する。
それはスコール達も同じで、安心してスコール達はMD層へ向かった。
アーリアが怪我をしていたのは知っていたが、教師も一緒であるし、説得するだけなら無理をすることもないだろう。
そう、思った。
実際には校門に居た教師の様にモンスターを召喚する者が多いとも知らずに。
* * *
実際にMD層から帰ってきた三人が見たものは、保健室のベッドに横たわるアーリアと、険しい顔で三人を見つめるカドワキだった。
「アーリア!?」
「三人とも、ここに座りなさい」
静かな声で、カドワキが言った。訝しげな表情をしつつも、三人はそれに従う。
その声は明らかな批判を含んでいた。
「アーリアは?」
「マスター派を全部説得し終わったところで、倒れたそうだよ」
ため息交じりに、説明された。
説教をするような雰囲気に、三人は眉間にしわを寄せる。自分達だって大変だったのだ。
「単刀直入に言うけどね、アーリアが目を覚ますかどうかは分らない」
その言葉に三人は息を飲む。
寝たままの彼女は白い顔で浅く呼吸を繰り返していた。
「死んじゃうかもって事・・・?」
「簡単に言うとそういう事だよ」
「そんなにアーリアの怪我はひどいんですか?」
ゼルの言葉にカドワキは眼を見開く。
「ひどいなんてもんじゃないよ!
あんた達一体アーリアに何をさせてきたんだい!?」
思わず語気を荒げてカドワキは言った。
知らないではすまされないと思った。なぜなら、彼女は彼らの所為で生死の境を彷徨っているのだから。彼らが気づくことさえできればこうはなっていない。そうカドワキは怒鳴った。
自身を落ち着けるために、大きく息を吐き、カドワキはアーリアの顔を見る。
「まず、アーリアがこうなった主な原因だけど、脇腹に何かが貫通してできた傷だよ」
「・・・」
「でも、それだけが原因じゃない」
気づけていれば、でもまだ子供の彼らにそれは難しい注文なのかもしれない。
それでも。
「手当はされてるみたいだけどね、これは動けるような傷じゃないよ
本来ならね
熱だけでも立ち上がることが辛かったはず・・・」
その言葉にスコールはリノアの言葉を思い出す。確かにすごい熱だと言われたはずだ。
それでも緊急と言う理由をつけて彼女を慮ることはしなかった。その結果だと痛いほど理解をする。
「アーリア・・・ごめんね、私のせいで」
泣きながら話しかけるリノアに、俺のせいだと叫んでしまいたくなった。
(2015/01/01)
(2016/08/14修正)