「また、来ちゃったの?」
「ごめんね」
困ったように向こう岸でエアリスが笑った。
「私ね、エアリスが望むなら、ここに来る気なかったんだよ」
夢であっても話したいと思ったから私は対岸に腰を掛ける。
なんで、別の世界に居るのにエアリスに会えるのか。
これも自分の見せた夢の一つなのだろう。
エアリスのところに行けたらどれだけ幸せなんだろう。でもエアリスは来ないでと叫ぶから、この場所から動けない。
「アーリアが今いる世界と、私達が居た世界は繋がってるの
星の・・・深い所で繋がってる」
「そう、なんだ」
自分の夢ながら上手いこと考えられているものだと、そうぼんやりと私は思う。
クスリと対岸でエアリスが笑った。その笑い方久しぶり。
「どうして、こんなに頑張ったんだろう」
こんな夢を見るくらい。
痛いのも辛いのも嫌いなのに。
私をみてニッコリとエアリスが笑う。普段浮かべていた悪戯っぽい笑みだ。
その表情も久しぶりで私の大好きな表情だ。
「それは、アーリアが一番わかってるんじゃない?」
そう、エアリスが指をさした。後ろの真っ暗な空間が明るく光る。
そこには私が居た。
はしゃいだような笑顔を浮かべた私が。
しかし、周りにいるのは嘗ての仲間ではなく。
スコールや、リノア達だった。そして、格別の笑顔を向ける相手は。
「誰・・・?」
「内緒」
笑顔を浮かべたまま、エアリスが指を下げると映像も消えた。
それは、アーリア自身が気付かなければ意味のないものだと言って。
エアリスの顔を見て、私は一つ思い出す。
「ねぇ、エアリス」
「なーに?」
聞きたいことがあったのだ。
「なんであの時一人で行っちゃったの?」
「・・・」
一瞬笑顔を消して、エアリスは悲しそうに笑う。
それは死んでしまったことが悲しいだとか、そんなものではなくて。
「私は、エアリスに幸せに、なってほしかったんだよ」
「アーリア、私も同じなんだよ
アーリアに幸せになって欲しかったんだよ」
目を見開き、私ははエアリスの顔を見つめる。
視界がゆがんで、零れるような気がした。
「この間、クラウドにも言われた」
私は、許されれたいのかな。そう自嘲した。
「それ、クラウドじゃないよ?」
「え?」
小首を傾げて、言われた。
私はも同じように首を傾げる。
どうしてそんな事を言うのか、皆目見当もつかない。だって、私の夢が見せたクラウドのほうが私にとって都合がいいもの。
―――アーリア!
「ほら、呼ばれてるよ」
遠くから声がした。
「エアリス」
「アーリア、またね」
その声に引き寄せられるように、私は暗闇側に吸い込まれていく。
手を伸ばすが、空を切るばかりで。
「次!会うのは、最低でも五十年後ぐらい後がいいな!」
手で筒を作って、エアリスがそう叫んだ。
そんなのとても嫌で、ずっと一緒に居たいのに声がでない。
「後これ
夢じゃないからね!」
「え?」
次に目を開いた時には、白い天井が目の前に広がっていた。
(2015/01/01)
(2016/08/14修正)
「ごめんね」
困ったように向こう岸でエアリスが笑った。
26.貴方の未来が欲しかった
「私ね、エアリスが望むなら、ここに来る気なかったんだよ」
夢であっても話したいと思ったから私は対岸に腰を掛ける。
なんで、別の世界に居るのにエアリスに会えるのか。
これも自分の見せた夢の一つなのだろう。
エアリスのところに行けたらどれだけ幸せなんだろう。でもエアリスは来ないでと叫ぶから、この場所から動けない。
「アーリアが今いる世界と、私達が居た世界は繋がってるの
星の・・・深い所で繋がってる」
「そう、なんだ」
自分の夢ながら上手いこと考えられているものだと、そうぼんやりと私は思う。
クスリと対岸でエアリスが笑った。その笑い方久しぶり。
「どうして、こんなに頑張ったんだろう」
こんな夢を見るくらい。
痛いのも辛いのも嫌いなのに。
私をみてニッコリとエアリスが笑う。普段浮かべていた悪戯っぽい笑みだ。
その表情も久しぶりで私の大好きな表情だ。
「それは、アーリアが一番わかってるんじゃない?」
そう、エアリスが指をさした。後ろの真っ暗な空間が明るく光る。
そこには私が居た。
はしゃいだような笑顔を浮かべた私が。
しかし、周りにいるのは嘗ての仲間ではなく。
スコールや、リノア達だった。そして、格別の笑顔を向ける相手は。
「誰・・・?」
「内緒」
笑顔を浮かべたまま、エアリスが指を下げると映像も消えた。
それは、アーリア自身が気付かなければ意味のないものだと言って。
エアリスの顔を見て、私は一つ思い出す。
「ねぇ、エアリス」
「なーに?」
聞きたいことがあったのだ。
「なんであの時一人で行っちゃったの?」
「・・・」
一瞬笑顔を消して、エアリスは悲しそうに笑う。
それは死んでしまったことが悲しいだとか、そんなものではなくて。
「私は、エアリスに幸せに、なってほしかったんだよ」
「アーリア、私も同じなんだよ
アーリアに幸せになって欲しかったんだよ」
目を見開き、私ははエアリスの顔を見つめる。
視界がゆがんで、零れるような気がした。
「この間、クラウドにも言われた」
私は、許されれたいのかな。そう自嘲した。
「それ、クラウドじゃないよ?」
「え?」
小首を傾げて、言われた。
私はも同じように首を傾げる。
どうしてそんな事を言うのか、皆目見当もつかない。だって、私の夢が見せたクラウドのほうが私にとって都合がいいもの。
―――アーリア!
「ほら、呼ばれてるよ」
遠くから声がした。
「エアリス」
「アーリア、またね」
その声に引き寄せられるように、私は暗闇側に吸い込まれていく。
手を伸ばすが、空を切るばかりで。
「次!会うのは、最低でも五十年後ぐらい後がいいな!」
手で筒を作って、エアリスがそう叫んだ。
そんなのとても嫌で、ずっと一緒に居たいのに声がでない。
「後これ
夢じゃないからね!」
「え?」
次に目を開いた時には、白い天井が目の前に広がっていた。
(2015/01/01)
(2016/08/14修正)