誰が運んでくれたのかしらないけど、目を覚ましたら自室にいた。
目は腫れぼったいし、少しの恥ずかしさもあるけど、久しぶりにいい気分。
「リノアに謝らなきゃ」
そして、本当に友達になりたい。
「おはようございます!」
元気な挨拶。満面の笑み。
その普通な風景に、教師は驚き固まった。
それが他の生徒であったら、驚くことなどないだろう。
挨拶を行ったのはアーリア=セッターであった。
その笑顔を見てしまった他の生徒も、教師と同じく固まる。
そして、その中の何人かの生徒はきゃあきあとはしゃぎ始めた。
ガーデンの紛争依頼、マスター派と学園長派を収めミサイルからガーデンを救った彼女は『まさに、女神ようだった!』と熱狂的なファンがついていた。
騒いでいるのはその一派であろう。
マスター派、学園長派の抗争は、アーリア派の圧倒的多数で幕を下ろしていた―――閑話休題。
そんな教師や生徒には目もくれず、アーリアは学園室へと駆けて行く。
リノアが居るとすれば図書室か、そこであるからだ。
学園長室へと入ると、スコールとキスティス、ニーダ、シュウと共にアーリアが居た。
ガーデンの操縦室も兼ねたそこは、結構な大所帯だ。
「リノア!」
「アーリア?」
「ちょっといい?」
困ったように眉をひそめて小首を傾げる。
目こそ腫れているが、昨日のような悲しみは見て取れなくて、リノアとキスティスと、話を聞いていたスコールは安心する。
「ここじゃダメなの?」
「いいけど・・・」
恥ずかしいと、消え入りそうな声言った。
初めて見るアーリアの姿に思わずスコール達まで話す二人に注目する。
若干頬を朱に染め、リノアを見上げ、意を決したように口を開いた。
「えっと・・・
昨日はごめん」
「気にしてないよ」
手を振って否定する。
迷惑どころか少しだけ嬉しいと感じていたから。
やっと本当の意味で仲間になれた。そんな気がして。
「でね、それだけじゃなくて・・・
もう一度、ちゃんとリノアの事見るから
ちゃんと今度はリノア自身を見るから
だから・・・
私と最初から友達になってくれる?」
「もちろん!」
一瞬驚いた様にリノアは目を見開き、大きく頷いた。
アーリアはそれを見て笑った。細められた目に、まだ朱の残ったままの頬。
それは、前よりもずっと綺麗で。
「(あいつ、これが欲しかったのかな)」
たぶん、サイファーがアーリアを好きになったのはそれだと思った。
ガキ大将的な所があるサイファーの事だから、アーリアの表情とか気に入らないで突っかかってるうちに好きになっちゃったんだろうなぁ。
「アーリア!」
「っ!?」
ごめんね、先に見ちゃった。
そうサイファーに謝りながら、アーリアに抱き付いた。
れを見つめていた三人は
スコールは、現状を把握しきれず唖然と二人を見、キスティスも驚いた様に口に手を当てた。
実はアーリアFC(新設)リーダー、シュウはカメラが無いことに本気で悔しがり、ニーダは状況が分らず疑問符を浮かべる。
三者三様の反応をそれぞれ見せた。
(2015/01/01)
(2016/08/14修正)
目は腫れぼったいし、少しの恥ずかしさもあるけど、久しぶりにいい気分。
「リノアに謝らなきゃ」
そして、本当に友達になりたい。
30.ここから始まる
「おはようございます!」
元気な挨拶。満面の笑み。
その普通な風景に、教師は驚き固まった。
それが他の生徒であったら、驚くことなどないだろう。
挨拶を行ったのはアーリア=セッターであった。
その笑顔を見てしまった他の生徒も、教師と同じく固まる。
そして、その中の何人かの生徒はきゃあきあとはしゃぎ始めた。
ガーデンの紛争依頼、マスター派と学園長派を収めミサイルからガーデンを救った彼女は『まさに、女神ようだった!』と熱狂的なファンがついていた。
騒いでいるのはその一派であろう。
マスター派、学園長派の抗争は、アーリア派の圧倒的多数で幕を下ろしていた―――閑話休題。
そんな教師や生徒には目もくれず、アーリアは学園室へと駆けて行く。
リノアが居るとすれば図書室か、そこであるからだ。
学園長室へと入ると、スコールとキスティス、ニーダ、シュウと共にアーリアが居た。
ガーデンの操縦室も兼ねたそこは、結構な大所帯だ。
「リノア!」
「アーリア?」
「ちょっといい?」
困ったように眉をひそめて小首を傾げる。
目こそ腫れているが、昨日のような悲しみは見て取れなくて、リノアとキスティスと、話を聞いていたスコールは安心する。
「ここじゃダメなの?」
「いいけど・・・」
恥ずかしいと、消え入りそうな声言った。
初めて見るアーリアの姿に思わずスコール達まで話す二人に注目する。
若干頬を朱に染め、リノアを見上げ、意を決したように口を開いた。
「えっと・・・
昨日はごめん」
「気にしてないよ」
手を振って否定する。
迷惑どころか少しだけ嬉しいと感じていたから。
やっと本当の意味で仲間になれた。そんな気がして。
「でね、それだけじゃなくて・・・
もう一度、ちゃんとリノアの事見るから
ちゃんと今度はリノア自身を見るから
だから・・・
私と最初から友達になってくれる?」
「もちろん!」
一瞬驚いた様にリノアは目を見開き、大きく頷いた。
アーリアはそれを見て笑った。細められた目に、まだ朱の残ったままの頬。
それは、前よりもずっと綺麗で。
「(あいつ、これが欲しかったのかな)」
たぶん、サイファーがアーリアを好きになったのはそれだと思った。
ガキ大将的な所があるサイファーの事だから、アーリアの表情とか気に入らないで突っかかってるうちに好きになっちゃったんだろうなぁ。
「アーリア!」
「っ!?」
ごめんね、先に見ちゃった。
そうサイファーに謝りながら、アーリアに抱き付いた。
れを見つめていた三人は
スコールは、現状を把握しきれず唖然と二人を見、キスティスも驚いた様に口に手を当てた。
実はアーリアFC(新設)リーダー、シュウはカメラが無いことに本気で悔しがり、ニーダは状況が分らず疑問符を浮かべる。
三者三様の反応をそれぞれ見せた。
(2015/01/01)
(2016/08/14修正)