アーリアが笑う様になった。
その翌日アーリアが居なくなった。
「風神先輩と雷神先輩・・・?」
リノアと仲直り(?)した日の夜訪ねてきたのは風神と雷神の二人だった。
「今、平気」
「はい、大丈夫ですよ」
二人が訪ねてきた理由は見当がつかないが、部屋に招き入れ椅子に座らせる。
SeeDになり部屋が広くなったとはいえ、三人も入ると少し狭い。
浮かない顔の二人にアーリアは首を傾げる。
「急にどうしたんですか?」
「アーリア、復帰、祝」
「そうだもんよ!」
祝っているとは思えない表情で、二人は言う。
それに違和感を覚えたものの、復帰を祝ってくれてるのならありがたく受けておこう。そうアーリアは思い、笑顔で礼を言う。
初めて見る彼女の笑顔に、二人は面をくらいつつ、茶や菓子を机の上に広げた。
「二人で選んだもんよ」
「甘、好?」
「はい!大好きです!
食べてもいいんですか?」
頷く風神を確認して、菓子の袋の一つを開いた。
頂きますと手を合わせて、一つまみ菓子を口の中に入れる。
しつこくない甘さが口に広がり、思わず顔を綻ばせる。
「怪我はもう大丈夫だもんよ?」
「はい、当分は無理は禁止って言われたましたけど
学園中のみんなが回復魔法を掛けてくれたみたいで」
「風神と俺も少しだけど協力したもんよ!」
「本当ですか?
ありがとうございます」
先輩方のおかげで、治りました。そうアーリアは満面の笑みを浮かべた。それを見た二人の顔に浮かんだのは、罪悪感。
途端、ぐにゃりと景色が歪んだ。
「先、輩?」
突然襲ってきた、強い眠気にアーリアは二人を見る。
罪悪感の正体はこれかと、アーリアはやけに冷静な思考のまま眼を閉じた。
「・・・・すー」
「ごめん・・・だもんよ」
「謝」
眠り込んだアーリアを抱え上げ、二人はバラムガーデンを後にした。
睡眠薬が良く効いているのか、雷神の腕の中一切動く気配はなかった。
向かうはガルバディア。サイファーの元。
* * *
何とか二人でガルバディアに着くと、サイファーに二人は迎えられた。
魔女的にも手駒が増えることは吝かではないらしく、特に何かを言われることは無かったらしい。
「よく来た・・・」
いつもと同じ自信満々の笑顔を浮かべたサイファーが固まる。
不測の事態には弱いらしい。
つかつかと無言で雷神に近づくと、その腕からアーリアを奪い取る。
寝てるだけだもんよ!と焦って説明する雷神の言葉は聴いていない。
「・・・
アーリア」
その体を確かめる様に抱き、二人の顔を見た。
「これはどういう事だ?」
「あいつらに、アーリアは任せられないもんよ」
「アーリア、危篤、泣
雨達供、アーリア為非」
険しくなった瞳に浮かんだのは怒り。
抱きしめた体を、より強く抱きしめて。二人に歓迎の意を伝える。
その様子に、風神と雷神はやはり連れて来てよかったとそう思った。
―――一方そのころガーデンでは
アーリアが居ないことが問題になっていた。
「アーリアが居ない!」
「部屋調べてみよーよ!」
「・・・武器とか置きっぱなしだったし
部屋で食べてたお菓子とか飲み物とかそのままだったわ」
「誘拐!!?」
アーリアが居ない事で大騒ぎになっていて、風神雷神の失踪には誰も気が付かなかった。
(2015/01/01)
(2016/08/14修正)
その翌日アーリアが居なくなった。
31.君を守る
「風神先輩と雷神先輩・・・?」
リノアと仲直り(?)した日の夜訪ねてきたのは風神と雷神の二人だった。
「今、平気」
「はい、大丈夫ですよ」
二人が訪ねてきた理由は見当がつかないが、部屋に招き入れ椅子に座らせる。
SeeDになり部屋が広くなったとはいえ、三人も入ると少し狭い。
浮かない顔の二人にアーリアは首を傾げる。
「急にどうしたんですか?」
「アーリア、復帰、祝」
「そうだもんよ!」
祝っているとは思えない表情で、二人は言う。
それに違和感を覚えたものの、復帰を祝ってくれてるのならありがたく受けておこう。そうアーリアは思い、笑顔で礼を言う。
初めて見る彼女の笑顔に、二人は面をくらいつつ、茶や菓子を机の上に広げた。
「二人で選んだもんよ」
「甘、好?」
「はい!大好きです!
食べてもいいんですか?」
頷く風神を確認して、菓子の袋の一つを開いた。
頂きますと手を合わせて、一つまみ菓子を口の中に入れる。
しつこくない甘さが口に広がり、思わず顔を綻ばせる。
「怪我はもう大丈夫だもんよ?」
「はい、当分は無理は禁止って言われたましたけど
学園中のみんなが回復魔法を掛けてくれたみたいで」
「風神と俺も少しだけど協力したもんよ!」
「本当ですか?
ありがとうございます」
先輩方のおかげで、治りました。そうアーリアは満面の笑みを浮かべた。それを見た二人の顔に浮かんだのは、罪悪感。
途端、ぐにゃりと景色が歪んだ。
「先、輩?」
突然襲ってきた、強い眠気にアーリアは二人を見る。
罪悪感の正体はこれかと、アーリアはやけに冷静な思考のまま眼を閉じた。
「・・・・すー」
「ごめん・・・だもんよ」
「謝」
眠り込んだアーリアを抱え上げ、二人はバラムガーデンを後にした。
睡眠薬が良く効いているのか、雷神の腕の中一切動く気配はなかった。
向かうはガルバディア。サイファーの元。
* * *
何とか二人でガルバディアに着くと、サイファーに二人は迎えられた。
魔女的にも手駒が増えることは吝かではないらしく、特に何かを言われることは無かったらしい。
「よく来た・・・」
いつもと同じ自信満々の笑顔を浮かべたサイファーが固まる。
不測の事態には弱いらしい。
つかつかと無言で雷神に近づくと、その腕からアーリアを奪い取る。
寝てるだけだもんよ!と焦って説明する雷神の言葉は聴いていない。
「・・・
アーリア」
その体を確かめる様に抱き、二人の顔を見た。
「これはどういう事だ?」
「あいつらに、アーリアは任せられないもんよ」
「アーリア、危篤、泣
雨達供、アーリア為非」
険しくなった瞳に浮かんだのは怒り。
抱きしめた体を、より強く抱きしめて。二人に歓迎の意を伝える。
その様子に、風神と雷神はやはり連れて来てよかったとそう思った。
―――一方そのころガーデンでは
アーリアが居ないことが問題になっていた。
「アーリアが居ない!」
「部屋調べてみよーよ!」
「・・・武器とか置きっぱなしだったし
部屋で食べてたお菓子とか飲み物とかそのままだったわ」
「誘拐!!?」
アーリアが居ない事で大騒ぎになっていて、風神雷神の失踪には誰も気が付かなかった。
(2015/01/01)
(2016/08/14修正)