Eternal Oath

「研究者はいつもそう・・・」
アーリアちゃんおちついて」

ここからの文官の行動によくやったと言いたいとセルフィは思った。
アーリアとオダインを隔離し、オダインに推薦状を書かせると速やかに宇宙センターへと送り出した。彼がいなければエルオーネには会えなかっただろう。

43.宇宙の旅


「宇宙・・・」
「想像もつかないわね」

エルオーネのいる宇宙に旅立つのはアーリアとキスティスとスコールそしてリノアの4人だった。


―――重力装置オン

「すごいですね」


音とともに滑らかに地面に降り立つと感慨深げにアーリアが言った。
そわそわと落ち着かないスコールたちの側アーリアは落ち着いた様子だ。それがまた異様でもあるが今のキスティスにはありがたいものに思えた。

ルナベースの職員はアーリアの知り合いではないものの話しは伝わっているらしく比較的スムーズに話はすすんだ。彼はリノアを医務室に運んだ方がいいと進めスコールたちはまず医務室へと向かった。

医務室でリノアをベッドへ寝かすとスコールたちはエルオーネのもとへと向かうが、アーリアはその場へ残ることを選んだ。


「リノアの側にいてもいい?」
「・・・仕方がない」

「ありがとう」


優しく微笑むとベッドのふちを撫ぜた。いつも通りに見えるアーリアの姿に二人は安心して医務室を後にする。

「リノア、は」

魔女になっちゃったのかなぁ。
ずっとつきまとうこの嫌な気配は紛れもなく魔女のもの。

ふーと短く息を吐き、アーリアは天を仰ぐ。昔見たものと寸分変わらない漆黒の空間が窓の外に広がっていた。この宇宙の先アーリアの暮らしていたあの世界があるのではないか、そう思わせるような風景だった。
重力装置なるものが動くこの部屋ではぼんやりと力を抜いても浮かび上がるようなことはない。


「一人は怖いよ―――一人は寂しかったよ―――」

リノアの眠るカプセルにアーリアは被さるように倒れる。



そこで、宇宙でのアーリアの記憶は途切れている。


(2016/06/05)