Eternal Oath

私の真上、月明かりに青く照らされた顔がまっすぐこちらを見ていた。

”どうして”など感じようはずもない。
きっと、最初からこうなる運命だったのだ。

青く浮かぶ


酒の上にこの状態。思考はくらくらと止めどない。


「・・・はぁ・・んっ」


肌を滑るシャドの手が心地よい。
普段は手を覆っている手袋の外された少し体温の低い手が火照った体を撫ぜていた。


「―――ねぇ」



肌を撫ぜる手が、服の中に入ってくる。



「ぁっ」


脇腹から、胸まで、徐々に手が上がってくる。
空気に胸が晒され小さく体が震えた。

人に胸を晒すことが恥ずかしいなどと言うつもりは無いけれど、拭い様のない違和感が体を支配する。


「シャドっ・・・ぅん」


何を話そうとしていたのか、思考は胸から届く刺激に邪魔をされ。

くらくら揺れる思考は止めどない。


「静かにしていろ」


いつもより熱っぽい声で囁かれる。
黙る気など一切ない。私は、伝えたいのだ。


「わた、しは、っぁ」


胸を貪る手は頂を見つけ、器用にこね回す。
快感に流されそうになる思考を、ゆらゆら揺れる思考を、なんとか理性で繋ぎとめる。


「あぁっ、んっ」


漏れる声は私のものではない様だ。

それでも話したいとそう思う。


「世界が、壊れたあの日
っんぅ」
「・・・黙れ」


何時下がったのか、左手が私の下半身へと到達する。
散々胸を弄られ、そこは十分に湿っていた。

小さく水温を立てるソコに、口角を上げた様に見えたのは青光りの見せた幻想だろうか。


「っは、やだ
・・・ふぅっぁ」
「・・・」


茂みをかき分け、蕾へ手が到達する。
情けないくらい大きく体が反応した。


「あっ、・・・あの日に

あの子を、失った、っぁ、の」


余裕のない私は言葉を選ぶことはできず、まるで少女の様な言葉が飛び出した。


「二人でっぇ沢山、ぬすっぁんだ
んっ」


ぐちゅぐちゅと、無遠慮に秘所を指が掻き回す。
時折良いところを掠め反応が大きくなると、シャドはソコばかり責め始めた。
どうしても私に話をさせないつもりらしい。


「あぁっ、っぁん、イッ」
「・・・」


僅かに目を細め、最高に達しようとする瞬間にシャドは指を引き抜いた。


「ぁ・・
あ、の日」


―――ぐちゅり


やたらに大きな音を立て、シャドが私に侵入する。
豪く久しぶりの感覚に、若干の痛みを覚えないでもなかったが、それ以上に快感が勝った。


「いつも、っみたく盗みに入ってっぇ」


シャドは何もしゃべらない。


「はぁっ、その帰り私がミスをしたっ」


快感に眉間に皺を寄せるシャドはこちらの話を聞いているのだろうか?
いや、聞いていなくてもいいのだ。


「足っぁ、ん、怪我、して
私は置いていってほしいって行ったのに」


モンスターに囲まれた。
あの子は無傷、私は手負い。


「戻ってっぇ、きたのっあぁ
その時裁きの光に包まれてっぇ

あっ、あぁっ」
「もう、黙れ
・・・・リズ


はぁと耳元で吐かれたと息がやたら熱い。


「私っは」
「・・・っ」


ぶるりとシャドの体が震えた。


「あぁっああああああ」


熱くはじける感覚に、酒も手伝い意識が遠ざかる。



―――私はどうなってもよかったの

―――ただ、あの子には生きてて欲しかった

―――それで満足だった


最後に見えた、彼の顔が、驚いた様なそれでいて付き物が落ちたような顔に見えた気がしたのも、全部月が見せた幻想なのだろうか。


(2014/07/28)
おまけあります。