「ばれちゃった☆」

「昇進する気はないかの」

ある日突然総隊長に呼び出されました。
すんごく嫌な予感したので逃げ出したんだけどねぇ。雀部副隊長につかまりました。
何この人すっごい早い。

「ばれちゃった☆」

マユリちゃんがいなくなって数年が立ちました。
行くあてもないので、一番隊に残っています。
最近やたら総隊長から昇進を打診されるのですが、面倒なのでいやです。
てゆーか、一番隊とか変にエリート意識があって昇進したがってる人いっぱいいるんだしその人にやらせればいいと思うの。私みたいにやる気の無い人じゃなく。
そのたびにある程度の戦闘力云々言われるけど私しらなーい。

ああ、もうめんどくさいなぁ。

おだんご片手に屋根へ上った。
暇になるとマユリちゃんの所へ行ってたし、一人だと何をしていいのかが分からない。
結果、一人で月を見ていることが多くなった。

「昇進・・・ねぇ」

私には過ぎた評価なんだと思う。
だって、私には守りたいものとか人とか何にもないし。
ただマユリちゃんがいたから、護艇隊に入っただけ。

私が護艇隊にいたのはたったそれだけの理由。

そうだ。
もう、ここにいる理由さえないんだ。

まあ、辞めても行くところないんだけどね。
今更故郷戻っても人斬って遊ぶくらいしかやることなさそうだし。

「つまんない」

（2013/08/09）
（2023/12/02訂正）