Eternal Oath

時々涼香が遠い目をする理由を平子と猿柿の二人が知ったのは、浦原喜助が隊長に就任する数か月前のことだった。


涼香ちゃん今日の新しい十二番隊隊長の就任式ですけど」
「夕実ちゃん、お土産何がいい?」

「サボる気満々ですね、あなた」


涼香は六席になっていた。

「だって寂しかったんだもん」


涼香~~~!!!」

最近ヒヨちゃんが酷くアグレッシブです。
新しい隊長が気に入らないんだって。
うらはら隊長、だっけ?
なんか変わってそうだったけど、言うほど悪くないと思うんだけどなぁ。

ま、とりあえず。

「お団子食べる?」
「食べる!」

縁側に座りながら、ヒヨちゃんの愚痴を聞くのが日課になりつつあります。

まぁ、私はお茶のみながらお団子が食べれればそれでいいんですけど。


「なんであいつが隊長やねん!」

ガンッと割りそうな勢いで湯呑を置く。
ヒヨちゃんそれ最近の口癖だよね。

たしかに曳舟隊長の後だと中々認められないのもわかるけど、と私は思った。あの人は底の知れない強さがあって、私も勝てそうになかったもん。

今の隊長はがんばったらいつか勝てそう。そんなことを考えながら「まあ落ち着いてー」とヒヨちゃんの頭を撫ぜる。
むうっと頬を膨らませて俯く。

「いいじゃん

曳舟隊長は黙っていなくなったわけじゃないんだから」


マユリちゃんみたいに。

あ、思い出したらイライラしてきた。


涼香?」
「ん?」

涼香を悲しませる奴はうちがドついたる!」


慰めてくれてるのかな?
別に悲しいとかそんなんじゃないから。



だから―――



「うん
顔面に一発入れてくれるとうれしいかな」



顔面が真っ平らになるくらい強烈な奴をお願いします。


(2013/08/09)
(2023/12/02訂正)