「水色!水色!」
草鹿副隊長が私を呼ぶ。
独特のあだ名は私の髪と目の色から名づけられたらしい。
・・・いっちゃんみたいなあだ名じゃなくてよかったと心底安心したのは、私だけの秘密です。
それは置いといて、呼ばれて行けば、隊長といっちゃんとちかちゃんがいました。
「お前・・・涅とどうゆう関係なんだ?」
神妙な顔で聞いてくる隊長。
ほらっ、めんどくさいことになっちゃった。
絶対マユリちゃんにお菓子おごってもらう。私は干菓子を所望する。
私とマユリちゃんの関係・・・ですか。私はただの非検体ですよ?だって面白いじゃないですかマユリちゃん。
腕伸びたり、生えてきたり。
「面白いって」
呆れたようにちかちゃんが言いますが、面白い以外なくないですか。
そうですね。少しだけ昔の話をしましょうか。
私は流魂街の八十番地区で一人で生きていました。
親も友達もいなかったけれど、幸い私は力を持っていたので生きていけました。
面白いことなんて何もなかったけど、八十番地区ってたまに喧嘩売ってくる人いるじゃないですか。
「たまに―――?」
たまにですよ。戦いは楽しかったですけど、隊長と違って戦闘狂じゃ―――ごめんない。
「なんで死神になろうと思ったの?」
それはですね、副隊長。無理やり連れていかれたんですよ。
『生まれつき持っていた力が強すぎた。他の霊魂に悪影響』らしいです。
このままじゃ他の霊に影響を与えるからって言われました。
いやーもうびっくりですよ。
禄に人と関わることもできてなかった私が”明日から霊術院に行け”って。
そうして死神としての生活が始まりました。
勉強はあまり楽しいとは思わなくて、毎日面白いことを探してたんです。
―――面白
―――・・・・・・何だネ貴様は
―――学生でーす。
それで一個だけ見つけたんですよ、瀞霊廷に忍び込むと私を連れてきた隊長が怒られるので毎日忍び込んでました。
「たちわりぃ」
失礼な。人の意見を聞かずに連れてきた人の方がひどくないですか。
「当然じゃない?
日番谷隊長も同じだって聞いたし」
へえ。そうなんですか。可哀そうに。
え?日番谷隊長は仕事嫌そうじゃないんですか。
話を戻しますね。
―――お前の所為で非検体がダメになったじゃないか、エェ?どう責任をとるのかネ
―――いいよ。実験でつかっても
「「は?」」
何人かの声がはもりました。
実験体だったのか?って矢継ぎ早に聞かれます。そうですよ。というかほらこの髪だってマユリちゃんにもらった薬飲んだら水色になったんですよ。
マユリちゃんは当時は今みたいに隊長じゃなかったですからね、そんなに実験体も用意できなかったから。あんまり苦しい実験はなかったですね。
もっと苦しくても面白ければおーるおっけーだったんだけどなぁ。え?だめ?
それからなんとか霊術院で言葉づかいとか人についてとか学んで、マユリちゃんとも実験体になったりちゃんばらしたり勉強してるうちになんとなーくいい成績になって。
マユリちゃんの実験もっと見たかったから護廷十三隊に入隊したんです。
で、適当に卒業して一番隊に配属されたんです。
「・・・って感じですかね」
ふいーっと意気をついて、お茶をすすります。
相変わらず隊舎へ支給されるお茶は品質が悪いです。真ちゃんがいた頃が懐かしい。いいお茶と良いお菓子くれたんですよね。彼は。
「そっかぁ、水色にとっての剣ちゃんなんだねっ」
そんな風に草鹿副隊長が話をしめた。
副隊長にとっての隊長がどのようなものなのかは分かりません。
でも、”一番”って意味なのだとしたら、副隊長にとっての隊長と同じで間違いではないのでしょう。
(2013/08/09)
(2023/12/02訂正)
草鹿副隊長が私を呼ぶ。
独特のあだ名は私の髪と目の色から名づけられたらしい。
・・・いっちゃんみたいなあだ名じゃなくてよかったと心底安心したのは、私だけの秘密です。
それは置いといて、呼ばれて行けば、隊長といっちゃんとちかちゃんがいました。
「お前・・・涅とどうゆう関係なんだ?」
神妙な顔で聞いてくる隊長。
ほらっ、めんどくさいことになっちゃった。
絶対マユリちゃんにお菓子おごってもらう。私は干菓子を所望する。
「こう言う事があったんです」
私とマユリちゃんの関係・・・ですか。私はただの非検体ですよ?だって面白いじゃないですかマユリちゃん。
腕伸びたり、生えてきたり。
「面白いって」
呆れたようにちかちゃんが言いますが、面白い以外なくないですか。
そうですね。少しだけ昔の話をしましょうか。
私は流魂街の八十番地区で一人で生きていました。
親も友達もいなかったけれど、幸い私は力を持っていたので生きていけました。
面白いことなんて何もなかったけど、八十番地区ってたまに喧嘩売ってくる人いるじゃないですか。
「たまに―――?」
たまにですよ。戦いは楽しかったですけど、隊長と違って戦闘狂じゃ―――ごめんない。
「なんで死神になろうと思ったの?」
それはですね、副隊長。無理やり連れていかれたんですよ。
『生まれつき持っていた力が強すぎた。他の霊魂に悪影響』らしいです。
このままじゃ他の霊に影響を与えるからって言われました。
いやーもうびっくりですよ。
禄に人と関わることもできてなかった私が”明日から霊術院に行け”って。
そうして死神としての生活が始まりました。
勉強はあまり楽しいとは思わなくて、毎日面白いことを探してたんです。
―――面白
―――・・・・・・何だネ貴様は
―――学生でーす。
それで一個だけ見つけたんですよ、瀞霊廷に忍び込むと私を連れてきた隊長が怒られるので毎日忍び込んでました。
「たちわりぃ」
失礼な。人の意見を聞かずに連れてきた人の方がひどくないですか。
「当然じゃない?
日番谷隊長も同じだって聞いたし」
へえ。そうなんですか。可哀そうに。
え?日番谷隊長は仕事嫌そうじゃないんですか。
話を戻しますね。
―――お前の所為で非検体がダメになったじゃないか、エェ?どう責任をとるのかネ
―――いいよ。実験でつかっても
「「は?」」
何人かの声がはもりました。
実験体だったのか?って矢継ぎ早に聞かれます。そうですよ。というかほらこの髪だってマユリちゃんにもらった薬飲んだら水色になったんですよ。
マユリちゃんは当時は今みたいに隊長じゃなかったですからね、そんなに実験体も用意できなかったから。あんまり苦しい実験はなかったですね。
もっと苦しくても面白ければおーるおっけーだったんだけどなぁ。え?だめ?
それからなんとか霊術院で言葉づかいとか人についてとか学んで、マユリちゃんとも実験体になったりちゃんばらしたり勉強してるうちになんとなーくいい成績になって。
マユリちゃんの実験もっと見たかったから護廷十三隊に入隊したんです。
で、適当に卒業して一番隊に配属されたんです。
「・・・って感じですかね」
ふいーっと意気をついて、お茶をすすります。
相変わらず隊舎へ支給されるお茶は品質が悪いです。真ちゃんがいた頃が懐かしい。いいお茶と良いお菓子くれたんですよね。彼は。
「そっかぁ、水色にとっての剣ちゃんなんだねっ」
そんな風に草鹿副隊長が話をしめた。
副隊長にとっての隊長がどのようなものなのかは分かりません。
でも、”一番”って意味なのだとしたら、副隊長にとっての隊長と同じで間違いではないのでしょう。
(2013/08/09)
(2023/12/02訂正)