避暑
季節は夏。
夏と言えば熱いもので。
それはここ、女性死神協会の本部も例外ではない。
うだるような暑さに会議はすぐ終わり、話の中心は”この暑さをどうやり過ごすか”に移った。
「涼香は?」
「何がですが?」
「だから、どこか涼しいところっ」
暑さにだれる涼香に声をかけたのは乱菊。
どうやら、涼しい所はどこかを話していたらしい。
その質問に、涼香は考えを巡らせる。
「ああ、一つだけありますよ」
「どこっ」
乱菊の勢いに押され、涼香は若干体を引く。
「・・・技術開発局の、実験資料保管室です」
ピシリ、と乱菊は固まった。
出された場所は乱菊達が立ち入ることはとてもじゃないが出来そうもない場所。
技術開発局の実験資料なんて禄な物ではないだろうし、何よりもそこの持ち主―局長―が怖すぎる。
「この間、マユリちゃんに鍵もらったんです」
松本副隊長たちも行きます?
その言葉に、一様に首を横に振るのだった。
(涼しくて居心地いいですよ)
(・・・あんたが涅隊長と仲がいい訳、分かった気がするわ)
(2014/06/22)
元拍手のおまけ。