水面
「せっかく非番なのにー・・・」
今日の瀞霊廷の天気は雨。
いつものように十二番隊に遊びに来ていた涼香はつまらなそうに空を見上げた。
「・・・・」
―――ボタボタ・・・
屋根伝いに雫が落ちる。
縁側に座りながら、それをぼうっと見つめていた。
それもそのはず、今日は雨が降っているだけではなく、マユリも研究が忙しいとかで部屋から出てこない。
「んー」
手を伸ばすと雫が指先に落ち、腕を伝って着物にしみ込んだ。 普通の人間なら不快に思うであろうその感覚に、涼香は楽しそうに目を細めた。 涼香は水と言うものが嫌いではない。
「・・・何をしているんだネ」
呆れたような声に、伸ばしていた手を引き涼香は満面の笑みを浮かべた。
「別にー」
涼香はぬれた手を軽く払い、マユリに駆け寄った。
(水はマユリちゃんによく似てる)
(2014/12/29)
元拍手のおまけ。
オセロ様の映すもの5のお題をお借りしました。