驚きの弱さ
松本は自他ともに認める酒豪であり、勤務中にも酒を飲んでしまうほどの酒好きでもある。そんな、彼女はしばしば女性死神協会の会議にも酒を持ちこんでいた。
そんな日は、会議もそこそこに宴会へと変わってしまう。
今日もそんな宴会の日であった。
「涼香も飲みなさいよぅ!」
女性死神協会に入って初めての状況に 涼香は馴染めずにいた。静かに酒を飲むネムの隣、避難していた涼香に松本が絡む。
確かに涼香は宴会が始まってからお茶ばかりを飲んでいた。
「涼香さんは飲まないんですか?」
ほんのり上気した頬で、ネムも尋ねる。幾分か悩んだそぶりを見せた後、少しだけと涼香はお猪口に口を付ける。
―――それが、ちょうど一時間前
「涼香さん?」
「んー?」
ぐらぐら横に揺れる涼香がそこにいた。
「お猪口一杯しか飲んでないわよ・・・この子」
「水色お酒弱いの?」
知らなかったと静かに、ネムが首を振った。
涼香はこてん、とネムの膝に倒れると、その腰に抱き付く。
「ネムちゃーんーーー」
「はい」
「ネムちゃんはさぁ」
「はい」
「マユリちゃんと同じ匂いするねぇ」
「はい」
その言葉にネムは微笑み、”またマユリちゃんか”そう松本は肩を竦めた。
(2016/01/24)
元拍手のおまけ。