Eternal Oath

姫ちゃんの友達(私命名、虎ちゃんだ)も蒲原商店に修行にきてて、いまやちょっとした大所帯です。

20.「残念!私だよ!」


「なんで涼香さん鬼道の練習してるんスか?」


そうきーちゃんに聞かれたのは休憩がてら恋ちゃんと虎ちゃんの手合わせを眺めている時だった。


「んー、私の斬魄刀鬼道系なんだ

だから、鬼道の練習しといた方が操りやすいっていうか
話になんないっていうか」


その点直接攻撃系だったら楽だっと思うんですけどね。
こればかりは選べないから。
選べたら絶対直接攻撃系にしてるって言ったら苦笑いされました。
鬼道系の方がいいと思うんすけどねとごちるきーちゃんはやっぱりどこかマユリちゃんに似てる。

私の心を見定める様にこちらをじっと見るきーちゃんを誤魔化すために、私は斬魄刀を鞘から抜く。



「揺るがせ、竜王丸」


開放された斬魄刀は薙刀状へ姿を変え


「二式、水蓮!」


目の前に水の防壁が現れる。


「なんと!鬼道の練習したらうっすくだけど治癒効果も付きました!」


やったね!
擦り傷を治す程度だけど無いよりはましですね。
後は純粋に鬼道が上手くなったので治療鬼道もだいぶ使える様になってきました。

誤魔化すようにそう捲し立てた。
すらりと斬魄刀をきーちゃんに向ける。


「そんなこと聞くってことは私と手合わせしてくれるって事ですか?」


鬼道ばっかりで飽きてきたし大歓迎ですよ。

おどけて言えば、きーちゃんは僅かに帽子のつばを下げ、お道化た様に笑ってみせた。


「いやっす」
「なん・・・だと?」

「十一番隊の方と手合わせとか嫌に決まってるじゃないっすか

それにこう見えてもアタシはフェミニストなんです」
「えーつまんない」


「そんな事より、休憩は終了ですぞ」


ひょいっと後ろからやってきたテッちゃんに首根っこを持ち上げられた。

はぁい、と答えた時恋ちゃんの通信機が鳴った。



―――破面!?十刃だと!!!



戦いの予感!!



「蒲原さん!水原さん!破面だ!!」
「聞こえてた!」

「む、俺もいく」
「テメーは力使いすぎてんだよ!
俺が行くからテメーは休んでろ!!」


ボロッボロッの二人が立ち上がる。
もちろんそんな二人を行かせるわけにはいきません。


「お二人ともここで休んでてください
代わりに・・・アタシがでます」

「あ、私も!私もいく!!」

手を挙げて反応したら、三人に溜息疲れました。
え?今のきーちゃんの見せ場だって?
そんなの知りません。


(2014/11/05)