Eternal Oath

開放した斬魄刀を担いで、瞬歩で急ぐ。

「あ」

遠くに、敵に捕らわれピンチの松本副隊長が見えた。

21.「ひっさびさに戦っちゃうよ」


「一式!水迅!」


水の刃が松本副隊長を捉えていた触手を切り落とした。


「じゃあ、きーちゃんこっちは私の獲物ね!」



久々の戦闘に私のテンションはマックスです。
旅禍事件から数か月。
久々の強敵との戦いに腕が鳴る。

竜王丸を構える手がギリリとなった。
松本副隊長たち全員を捉え上機嫌だった顔は、不機嫌にその色を変える。


「・・・・誰だよ、君」
「十一番隊、四席

水原 涼香


四席と名乗った瞬間に、敵の目に侮りが浮かんだ。
それは、勉強をしてきていると思わせるのに十分で。
四席ってことは松本副隊長や、いっちゃんよりも下だとそう思ったってことでしょう。

ぐるりと見回し、状況を確認。
敵は八本の触手を生やした十刃で、その触手には松本副隊長初め恋ちゃん以外の面々が・・・。


「あれ?日番谷隊長は?」
「あいつに吹き飛ばされたわ」


じゃあ、死んでないってことかな。
・・・なら、ちょうどいいかな。


「そのおねーさん副隊長なんでしょ?

格下のキミじゃ話になんないよっ!」


触手が私に向かって放たれた。


涼香!」




「―――卍解、大神竜王丸」





”風”が、触手を切り落とす。
山本隊長にも匹敵するような、そんな霊圧が大気を包んだ。

・・・きっついなぁ。


「さぁ、始めようか」

「なんだよ・・・それ」


自身の斬魄刀が放つ霊圧に耐えながら、私は言葉を紡ぐ。


「竜王丸の能力は”自然環境全て”を操る力」


神にも等しい能力は、莫大な霊圧と引き換えに使用される。



「竜王丸はね、普段から少しずつ私の霊圧をため込むの」


―――風式、百連鎌鼬

幾重にも連なる鎌鼬がいっちゃん達を捕える触手を切り落とした。


「つまり、今の竜王丸は私の死神人生・・・大体百年くらいかな、の霊圧を保持してる

これだけあれば大体の事は出来るんだ」
「くそっ」


触手を切り落とされた、本体がこちらへ向かってくる。


「でも、練習する相手がいなくて」


日番谷隊長が傍にいる状態で、相手は破面。
卍解の練習には申し分ない。

残った触手で攻撃してくる破面を竜王丸で切り落として。



「雷式、天網迅雷!!」



天から落ちた雷が、破面を焼き尽くした。



「さようなら、破面」


落ちていく十刃を見送って、私は静かに竜王丸を鞘に戻した。


(2014/11/05)