Eternal Oath

とどめを刺す、その瞬間に逃げた、十刃。
その際に感じたどこか真ちゃんに似た、虚の霊圧。

私が機嫌を悪くするには十分な出来事が二つ並んだ。


つまり私は今ものすごく、機嫌が悪い。ОK?

22.「おねーさんイラついてますよー」


「おま、おまえ!いつの間に」


るっさいな、もう。


「いっちゃんに勝った頃?」
「頃ってなんだ!頃って!!」

「あ゛?」


耳元で怒鳴らないでよ。
半眼で、殺気交じりに怒鳴ったら、ちょっといっちゃんが引いた。
いっちゃん以外はもっと引いた。

普段と違う?私は元々こんなのですよ。
八十地区出身なんだから。
勘違いしたのはそっちでしょ。

違う、今はそんな事どうでもいい。



「きーちゃん!」

「あっハイ
なんですか?」


そんなに、驚かなくても取って食ったりしないよ。
未だ固まるいっちゃん達を放って、きーちゃんに近づく。
逃がさないよ?


「あの霊圧はなんだ?

し・・平子真子に似てる、あの虚の霊圧は!!」


胸倉を掴む勢いで、問い詰める。
遠くから”水原さん”と誰かが止める声が聞こえた。


「今は、言えません」
「・・・で」


下ろしかけた手をあげ、今度こそきーちゃんの胸倉を掴んだ。
その手をいつのまにか近づいていた日番谷隊長が掴む。


「やめろ、水原
「っ!


・・・・・ちっ」



手を下ろした瞬間に、きーちゃんが悲しそうな目をした。
そして、ゆっくりと話し始める。


「アタシからは何も言えません」



まっすぐ見据えて言われた言葉に、頭に上っていた血が下がっていくのを感じた。

”今は”、”アタシからは”

つまり、どう言う形であれ真ちゃんは生きている。
詳しくは本人に会って聞けと言う事だろう。


「・・・・・・・・・分った」





―――そっか、真ちゃん達生きてるんだ

それさえ分ったのなら、もう現世に居る理由なんかないのだ。


(2014/11/05)