「風式、百連鎌鼬!」
あ、火力が足りない。
打った瞬間にそう思った。
「おぉぉぉぉおおおお!!!」
しかも、こいつ煩い奴だ。
目を見開いて、体に力を入れ、大きな声で叫ぶ。
そんなアヨンは、普通の生物なら死んでいるだろう傷を受けても死ぬ様子はなかった。
「おおおおお!」
「っ、”水蓮”!」
反射的に防護を張ったことが功を期す。
アヨンに弾かれはしたものの、何とか無傷だ。
―――死ぬかもしれない
頭をよぎった考えを、頭を振ることで消す。
「約束、したもんね・・・
絶対にお前を殺して、お土産で持って帰る!!」
あ、吉良副隊長が何言ってんだこいつって目でこっち見てきた。
水蓮を張ったまま、私は竜王丸に意識を集中する。
今から使うのは、竜王丸最大の技。
今蓄積している百年分の霊圧の半分程を使って使用する。
「”全”式・・・
天地天命」
空も大地も・・・空気さえもアヨンが存在することを赦さない。
まぁ、私が赦させないんだけどね。
白い光に包まれて、数秒後。
出てきたアヨンにはぐらりとよろめき、そのまま倒れた。
それを見届けると、私も膝をつく。
膨大な霊圧だけではない。この技は体力も喰う。
「っ、はっ・・・っ」
「水原さん!!上!!」
「・っ・・え?」
―――やばい
アヨンを倒された三人の破面が私に切りかかる。
剣を上げ、何とかよけようとした手前、三人は炎に包まれた。
「っはった、いちょ・・・」
「総隊長を前に出すとは情けない隊員じゃのぅ」
「っはっはぁ・・いっちゃん、っは、デカいっの倒したんだから
多めにっは、見てくださいよ!」
そもそも、高い給料もらってるんだし隊長達が頑張るべきだと思うの。
息も絶え絶えにそういえば、昇進しろよと言わんばかりの眼を向けられました。
絶対に嫌です。
立っているのも辛く座り込んで、休む。
めぼしい破面は誰かしらと戦っている状況だから、私が少しくらい休んだって大丈夫だろう。
「水原!」
なんなのーもう。
(2015/01/01)
あ、火力が足りない。
打った瞬間にそう思った。
28.「ボーナスをください」
「おぉぉぉぉおおおお!!!」
しかも、こいつ煩い奴だ。
目を見開いて、体に力を入れ、大きな声で叫ぶ。
そんなアヨンは、普通の生物なら死んでいるだろう傷を受けても死ぬ様子はなかった。
「おおおおお!」
「っ、”水蓮”!」
反射的に防護を張ったことが功を期す。
アヨンに弾かれはしたものの、何とか無傷だ。
―――死ぬかもしれない
頭をよぎった考えを、頭を振ることで消す。
「約束、したもんね・・・
絶対にお前を殺して、お土産で持って帰る!!」
あ、吉良副隊長が何言ってんだこいつって目でこっち見てきた。
水蓮を張ったまま、私は竜王丸に意識を集中する。
今から使うのは、竜王丸最大の技。
今蓄積している百年分の霊圧の半分程を使って使用する。
「”全”式・・・
天地天命」
空も大地も・・・空気さえもアヨンが存在することを赦さない。
まぁ、私が赦させないんだけどね。
白い光に包まれて、数秒後。
出てきたアヨンにはぐらりとよろめき、そのまま倒れた。
それを見届けると、私も膝をつく。
膨大な霊圧だけではない。この技は体力も喰う。
「っ、はっ・・・っ」
「水原さん!!上!!」
「・っ・・え?」
―――やばい
アヨンを倒された三人の破面が私に切りかかる。
剣を上げ、何とかよけようとした手前、三人は炎に包まれた。
「っはった、いちょ・・・」
「総隊長を前に出すとは情けない隊員じゃのぅ」
「っはっはぁ・・いっちゃん、っは、デカいっの倒したんだから
多めにっは、見てくださいよ!」
そもそも、高い給料もらってるんだし隊長達が頑張るべきだと思うの。
息も絶え絶えにそういえば、昇進しろよと言わんばかりの眼を向けられました。
絶対に嫌です。
立っているのも辛く座り込んで、休む。
めぼしい破面は誰かしらと戦っている状況だから、私が少しくらい休んだって大丈夫だろう。
「水原!」
なんなのーもう。
(2015/01/01)