Eternal Oath

真ちゃんが生きてるってわかった時点で、私にとってのこの戦いの意味はほとんどなくなってしまった。

でも、


「給料分くらいは働かなきゃね」

32.「混乱中ですねわかります」


まあ、わかっちゃいたけど不意を突いたくらいじゃ藍染は倒れなかった。
だから、一護ちゃんを守りながら藍染をみんなで倒す。

真ちゃんが、砕蜂隊長が、それぞれなんかかっこいい言葉かけて去っていく。


「お前は行かないのか」
「私も一護ちゃんと同じだから」


そう言うと、目を藍染からそらさないまま一護ちゃんは驚いた。
えーだった藍染とか隊長時代からうさん臭かったじゃん。
私八十番地区出身だから基本的に笑顔の奴とか信用しないんですよ。


「おい・・・」
「あー」


最初は藍染に切りかかっていた隊長達がどんどん別の場所へずれていく。
どうやらもう鏡花水月を使われているみたいだ。


「みんな!」


聞こえてないみたいで、なんか話ながら全員が空を切る。


「仕方が、ないね」
涼香!」


そして冒頭へ戻ります。

隊長達は私より給料貰ってるんだからもっと働くべきだと思うの。
こんな危険な奴と一対一で戦うんだから特別手当とかでてもいいと思う。


瞬歩で一気に藍染へ切りかかる。


「始解!しなくていいの?」
「君程度なら鏡花水月を使うまでもないからね」


まあ、その通りってわかってるけど。
面と面向かって言われるのはムカつく。


「風式!百連鎌鼬!」

―――キィン


うわぁ☆いい音☆
なんて言ってる場合じゃなくて、斬魄刀で簡単にいなされる攻撃に少し焦る。

今の所は私も切られていないけれど、それは藍染が遊んでいるからだしね。


「いいのかい」
「なにが!
雷式、天網迅雷!」

「雛森君が死んでしまうよ?」


その言葉に振り向けば、なぜか隊長達に囲まれる雛森副隊長。
瞬間的に自分の能力と隊長達の能力を考えて、助け出すことに集中すれば大丈夫だと思い、走り出した。

雛森副隊長が藍染にでも見えてるのか、隊長達の攻撃は迷いがない。
竜王丸で雛森隊長の体を固定している氷をたたき切った。


水原!?」
「何を!」

説明しても無駄だから、説明をせずに雛森副隊長を抱え込む。
こちらはこちらで何か別のものを見ているんだろう。
この世の終わりみたいな顔をしていた。


「邪魔をするならお前事切るぞ!」


砕蜂隊長はさすがに容赦ないな。
そんな言葉もなく切りかかってきた今の日番谷隊長よりはましだけど。

眼下に迫るこの一撃さえよければ逃げ切れる。


「あかん!涼香!!」


真ちゃんの声を聞いて、しまったと思った。
私は藍染と違って左右上下を考えて戦うほど器用じゃない。


背中から私と雛森副隊長を日番谷隊長の刃が貫いた。


(2015/01/01)