何かに酔ってたのかな。
その日はすがすがしい朝だった。
だから、創作意欲がわいて。
近くの公園まで絵を描きに行った。
何を描こうって決めてたわけじゃない。
ただ、なんとなく筆を動かしたい気分で。
私は適当な場所を見つけると、スケッチを始める。
早朝の公園には人もまばらで、暑すぎず寒くない気温はとても気持ちよかった。
「・・・榎本さん?」
「っ!?」
集中しているところ、突然後ろから声をかけられた。
その低い声は、最近仲良くなった友人のもので。
「水鏡君?」
そう、水鏡君。
格好はタンクトップにジャージとラフなもので。
若干汗ばんでいるところをみると、ランニングでもしてたのだろう。
「なにをしていたんだ?」
「朝早くおきちゃったから、スケッチに
水鏡君は?」
「僕はランニングに来たんだが・・・」
やっぱりランニングか。
水鏡君鍛えてそうだもんね。
それにしても、水鏡君このあたりにすんでるのかな?
こんなところで会うなんて。
「水鏡君はこの辺りに住んでるの?」
「ああ、あのマンションだ」
やっぱりそうみたい。
指さした、マンションは私の家のすぐ近く。
こんなに近くに住んでいたのに今まで会わなかったのが不思議なくらい。
「私はね、あっちに2号公園があるでしょ?
その近くに住んでるの」
「・・・近所じゃないか」
「ええ、本当に」
本当に・・・なんで今まで会えなかったんだろう。
なんて考えてたら。
「相変わらずうまいな」
気がつけば、私の手にはスケッチブックはなく。
水鏡君の手におさまっていた。
「水鏡君!?」
その手から取り戻そうとするが、うまくよけられてしまって。
あれ?水鏡君ってこうゆう人だったっけ?
「榎本さん、出来上がったらこの絵・・・僕にくれないか?」
「ええっ!?」
そして、出てきた言葉は予想外の言葉。
まだ大まかなスケッチしかしてないそれは、どうなるか見当もつかない。
失敗してしまったら・・・
「うまくいったらじゃ・・・だめ?」
そう、自分の気に入らないものを人になんか上げられない。
「分かったよ」
少し楽しそうなその笑みが気になるが、水鏡君はスケッチブックを返してくれた。
本当にどうしてしまったんだろう?
いつもの水鏡君じゃないみたい。
・・・もっともこんな水鏡君もたまには面白いけれど。
余談ですが、後日綺麗にスケッチは仕上がり。
水鏡君の手に渡りました。
(2011/08/06)
03.少し変なご近所さん
その日はすがすがしい朝だった。
だから、創作意欲がわいて。
近くの公園まで絵を描きに行った。
何を描こうって決めてたわけじゃない。
ただ、なんとなく筆を動かしたい気分で。
私は適当な場所を見つけると、スケッチを始める。
早朝の公園には人もまばらで、暑すぎず寒くない気温はとても気持ちよかった。
「・・・榎本さん?」
「っ!?」
集中しているところ、突然後ろから声をかけられた。
その低い声は、最近仲良くなった友人のもので。
「水鏡君?」
そう、水鏡君。
格好はタンクトップにジャージとラフなもので。
若干汗ばんでいるところをみると、ランニングでもしてたのだろう。
「なにをしていたんだ?」
「朝早くおきちゃったから、スケッチに
水鏡君は?」
「僕はランニングに来たんだが・・・」
やっぱりランニングか。
水鏡君鍛えてそうだもんね。
それにしても、水鏡君このあたりにすんでるのかな?
こんなところで会うなんて。
「水鏡君はこの辺りに住んでるの?」
「ああ、あのマンションだ」
やっぱりそうみたい。
指さした、マンションは私の家のすぐ近く。
こんなに近くに住んでいたのに今まで会わなかったのが不思議なくらい。
「私はね、あっちに2号公園があるでしょ?
その近くに住んでるの」
「・・・近所じゃないか」
「ええ、本当に」
本当に・・・なんで今まで会えなかったんだろう。
なんて考えてたら。
「相変わらずうまいな」
気がつけば、私の手にはスケッチブックはなく。
水鏡君の手におさまっていた。
「水鏡君!?」
その手から取り戻そうとするが、うまくよけられてしまって。
あれ?水鏡君ってこうゆう人だったっけ?
「榎本さん、出来上がったらこの絵・・・僕にくれないか?」
「ええっ!?」
そして、出てきた言葉は予想外の言葉。
まだ大まかなスケッチしかしてないそれは、どうなるか見当もつかない。
失敗してしまったら・・・
「うまくいったらじゃ・・・だめ?」
そう、自分の気に入らないものを人になんか上げられない。
「分かったよ」
少し楽しそうなその笑みが気になるが、水鏡君はスケッチブックを返してくれた。
本当にどうしてしまったんだろう?
いつもの水鏡君じゃないみたい。
・・・もっともこんな水鏡君もたまには面白いけれど。
余談ですが、後日綺麗にスケッチは仕上がり。
水鏡君の手に渡りました。
(2011/08/06)