それは、春の一大行事。
「クラス替えだね」
ある日言われたその言葉。
家がそばだと分かったあの日から。
彼女とよくこの公園で会うようになった。
「そう言えば、そうだな」
もうすぐ春休みが明ける。
そうしたら、クラス替え・・・か。
「一緒のクラスがいいなぁ」
小さく呟かれた彼女の言葉。
うぬぼれでなければ、僕とということであろう。
違うクラスになったら、今のような関係を続けられるのだろうか。
僕も彼女もわざわざ他のクラスに出かけるような、性格ではないだろう。
でも僕と違い・・・
彼女は、すぐに友達を作れるだろう。
彼女はひどく優しい人だから。
それでも
「同じクラスになれればいいな」
榎本さんはわずかに驚いたような顔をして、
笑顔を浮かべた。
「ふふ。
そんなこと、水鏡君が言うとは思わなかった」
「そうか?」
「うん。
でも、一緒になれるといいね」
僕も笑って頷く。
いつのまにか、彼女と共にいるのが普通になっていて。
それを嫌だとは思わなくなった。
そのときに答えは出ていたのも知れない。
-----------------
四月の初旬。
最後のクラス替え。
”同じクラスだよ!咲!”
何人の友達も、私にそう言いに来た。
それはそれで喜ばしいことだけど、もう一人知りたい人がいた。
みんなが一喜一憂するなか、私もその結果を見ようと背伸びをする。
「同じクラスだよ」
上から投げられた、涼やかな声。
・・・良かった。
「水鏡君!」
今年も一緒に居られるんだね?
(2011/08/07)
04.同じ場所、同じ気持ち
「クラス替えだね」
ある日言われたその言葉。
家がそばだと分かったあの日から。
彼女とよくこの公園で会うようになった。
「そう言えば、そうだな」
もうすぐ春休みが明ける。
そうしたら、クラス替え・・・か。
「一緒のクラスがいいなぁ」
小さく呟かれた彼女の言葉。
うぬぼれでなければ、僕とということであろう。
違うクラスになったら、今のような関係を続けられるのだろうか。
僕も彼女もわざわざ他のクラスに出かけるような、性格ではないだろう。
でも僕と違い・・・
彼女は、すぐに友達を作れるだろう。
彼女はひどく優しい人だから。
それでも
「同じクラスになれればいいな」
榎本さんはわずかに驚いたような顔をして、
笑顔を浮かべた。
「ふふ。
そんなこと、水鏡君が言うとは思わなかった」
「そうか?」
「うん。
でも、一緒になれるといいね」
僕も笑って頷く。
いつのまにか、彼女と共にいるのが普通になっていて。
それを嫌だとは思わなくなった。
そのときに答えは出ていたのも知れない。
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四月の初旬。
最後のクラス替え。
”同じクラスだよ!咲!”
何人の友達も、私にそう言いに来た。
それはそれで喜ばしいことだけど、もう一人知りたい人がいた。
みんなが一喜一憂するなか、私もその結果を見ようと背伸びをする。
「同じクラスだよ」
上から投げられた、涼やかな声。
・・・良かった。
「水鏡君!」
今年も一緒に居られるんだね?
(2011/08/07)