Eternal Oath

それは、春の一大行事。

04.同じ場所、同じ気持ち


「クラス替えだね」

ある日言われたその言葉。

家がそばだと分かったあの日から。
彼女とよくこの公園で会うようになった。


「そう言えば、そうだな」


もうすぐ春休みが明ける。
そうしたら、クラス替え・・・か。


「一緒のクラスがいいなぁ」

小さく呟かれた彼女の言葉。
うぬぼれでなければ、僕とということであろう。


違うクラスになったら、今のような関係を続けられるのだろうか。
僕も彼女もわざわざ他のクラスに出かけるような、性格ではないだろう。

でも僕と違い・・・

彼女は、すぐに友達を作れるだろう。
彼女はひどく優しい人だから。


それでも
「同じクラスになれればいいな」


榎本さんはわずかに驚いたような顔をして、
笑顔を浮かべた。


「ふふ。

そんなこと、水鏡君が言うとは思わなかった」
「そうか?」


「うん。


でも、一緒になれるといいね」


僕も笑って頷く。
いつのまにか、彼女と共にいるのが普通になっていて。

それを嫌だとは思わなくなった。


そのときに答えは出ていたのも知れない。


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四月の初旬。
最後のクラス替え。



”同じクラスだよ!!”
何人の友達も、私にそう言いに来た。

それはそれで喜ばしいことだけど、もう一人知りたい人がいた。



みんなが一喜一憂するなか、私もその結果を見ようと背伸びをする。



「同じクラスだよ」


上から投げられた、涼やかな声。

・・・良かった。


「水鏡君!」


今年も一緒に居られるんだね?


(2011/08/07)