楽しそうに呼ぶ
会いにいったらあなたは呆れるかな?それとも笑うかな?
それとも、昔と同じように”よく来たな”って言ってくれるのかな?
そんなことを考えながら、私はホテルを出て、少し離れた場所にある城まで走る。
どうしても今日会いたくなったの。
城の警備は厳重で、ちょぉっと忍びこむのは大変だった。
「どこにいるんだろ」
急いで私は目当ての人を捜す。
きっとあいつの事だから広い部屋にいるんだろうな。
「居た!」
いくつか大きな部屋を見て、ようやくその人を見つけた。
予想通り広い部屋にたった一人で立っていた。
「く~れい!」
「!?」
直前まで気配を殺して、彼に声をかけた。
「・・・なんだ霧月か、どうしたんだ」
肩をすかしながら、仕方ないなって笑われた。
呆れられてる・・・かな。
「ん、どうしても会いたかったの
ごめんね、紅麗」
「仕方ないな」
仮面を外して、呆れたみたいな顔で彼はいった。
私は心底楽しく何度も何度も彼の名前を呼ぶ。
(あなたと会えるそれだけで十分なの。)
(2013/08/14)
元拍手のおまけ。