Eternal Oath

01.合縁奇縁 Log

―十年後―(2014/11/03)


「今度の休暇、旅行でも行きませんか?」
「旅行・・・?嬉しい どこ、行こうか。凍季也くんは行きたいところとかある?」
「僕はどこでもいいのだけれど、静かなところがいい」
「じゃあ、温泉とかどう?」
「いいですね」



少しだけ未来の話(2017/04/12)


春眠暁を覚えずなんて言う様に春の朝は眠いものだ。それはこの男水鏡にとっても例外ではないが、霞がかる意識の片隅で確かに彼女の気配が動くのを感じ、重い体を起こした。
さん・・・?」
ギクリと体を震わせは振り返った。
「ごめんね、起こしちゃった?」

「どうしたんですか?」
「公園の桜・・・今満開だって聞いたから」

このマンションの隣の公園で、桜が満開になっていることは、水鏡も聞き及んでいた。絵描きである彼女はそれを描きに行くのだろう、絵の具に筆にキャンバスと道具を抱えている。

「僕も行きます」
言いながら、彼女の体躯を抱きすくめた。下腹部に回る水鏡の腕に白い指先を添え、 は微笑んだ。

「本当?」
「少し待ってて頂けますか?」「うん」

顔を朱に染めてコクコクと頷いたの姿に、満足そうに頷いて。


「でも、大丈夫?疲れてない?」
「だから、一緒に居たいんですよ」