00.魔法使いの物語 Log
悲しい人(2016/04/27)
明日はどうなっているか分からないだろう?
「なぁ、アラン」
「なん―」
残りの音は の口内へと消えた。
「急にどうしたんだ」
「したかったから」
出来ることは出来るうちにしておく主義なんだと、リィオは言った。
明日はどうなっているか分からないだろう?
「なぁ、アラン」
「なん―」
残りの音は の口内へと消えた。
「急にどうしたんだ」
「したかったから」
出来ることは出来るうちにしておく主義なんだと、リィオは言った。
その背に指先を滑らせた(2016/12/08)
ふと見つめたその背中にうっすらと残る傷跡を、一つ二つと数えてみた。
「何してるんだ?」
そんな俺を振り返りあきれたような微かな笑みを浮かべたリィオが微笑んだ。
―――ああ、綺麗だ。柄にもなくそう考えて傷だらけの背中を引き倒した。
ふと見つめたその背中にうっすらと残る傷跡を、一つ二つと数えてみた。
「何してるんだ?」
そんな俺を振り返りあきれたような微かな笑みを浮かべたリィオが微笑んだ。
―――ああ、綺麗だ。柄にもなくそう考えて傷だらけの背中を引き倒した。
その背に指先を滑らせた―その2―(2017/04/24)
「んだぁ?俺様の体に見惚れてんのか?」
リィオの視線に耐えかねたアランは言った。普段はコートに覆われている体の、鍛えられた筋肉の形をなぞるように 、彼女は目を動かしている。
ふと、リィオが指をのばし腹筋の辺りを摩った。
「―――誘ってんのか?」
「傷が・・ブレードで切られたものだな」
「ん?あぁ」
なるほど、リィオの指は傷の凹凸をなぞっていた。
「いたかねぇよ」
「分かってるさ この手の傷は自分の方が多い ただ、揃いだなとそう思っただけだ」
自分の腹部、同じような傷をさしリィオは微かに笑う。
堪らず、アランは を組抱いた。
「誘ってんのか?」
驚いたように一瞬目を見開いたリィオが、ふっと笑った。そして、アランの首の後ろへと手を回し、彼の耳元に唇を寄せた。
「折角だ、誘っておこうか ―――もう一度して?」
「んだぁ?俺様の体に見惚れてんのか?」
リィオの視線に耐えかねたアランは言った。普段はコートに覆われている体の、鍛えられた筋肉の形をなぞるように 、彼女は目を動かしている。
ふと、リィオが指をのばし腹筋の辺りを摩った。
「―――誘ってんのか?」
「傷が・・ブレードで切られたものだな」
「ん?あぁ」
なるほど、リィオの指は傷の凹凸をなぞっていた。
「いたかねぇよ」
「分かってるさ この手の傷は自分の方が多い ただ、揃いだなとそう思っただけだ」
自分の腹部、同じような傷をさしリィオは微かに笑う。
堪らず、アランは を組抱いた。
「誘ってんのか?」
驚いたように一瞬目を見開いたリィオが、ふっと笑った。そして、アランの首の後ろへと手を回し、彼の耳元に唇を寄せた。
「折角だ、誘っておこうか ―――もう一度して?」