Eternal Oath

「部屋は二人一組にしよう」

珍しくリィオが口を出した。

14.魔法使いの部屋割り


「なんで?」

小首をかしげてギンタが聞いた。レギンレイヴは城というだけあって部屋数はかなりありそうだったからだ。
むろんレギンレイヴの姫も各人に一つずつ部屋を用立てるつもりである。

「チェスがウォーゲーム以外で攻撃をしてこないとは言いきれないからな
有事の際に動きやすい方がいい」
「彼の言う通りかもしれないな、ギンタ」


傭兵としての意見だろうと納得しアルヴィスがうなずいて見せる。傍らのベルは二人っきりの夢が壊れ不満げな表情を見せた。
ギンタは迷わずジャックを見ると指をさした。


「じゃあ俺ジャックと二人がいい!」
「その言い方はなんか誤解されるっすよ!?」

「三人じゃ!馬鹿者!
わしも数にいれんか!!」


ワイワイガヤガヤとまるで旅行か何かのようにギンタ達が盛り上がる。
この組み合わせに不安を覚えたのはリィオだけではないようでナナシが大丈夫かと声を上げた。
前回はゲーム外での戦闘はほとんどなかったと答えたのはアルヴィスだった。”ほとんど”ということはやはりゲーム外での戦闘もあったのだろう。


「じゃあ私はドロシーと一緒か
よろしくね」


続いて紅一点ならぬ紅二点のスノウとドロシーが同室に決まった。
メルで余っているのはリィオとアルヴィスとナナシの三人だ。リィオはゆっくりとアルヴィスとナナシと見比べた。
それは二人も同じだろう同じように相手の顔を見て押し黙っている。


「・・・リィオたちはどうするの」


見かねてスノウが問いかけた。
ナナシもアルヴィスもリィオのことを探るような目で見てくる時があった。何時ものことだけれど決してそれらは気持ちのいいものではない。その上ナナシは素顔がばれてもばれなくても面倒そうだとリィオは思った。


「・・・」
「・・・」
「・・・自分もドロシーちゃんと一緒がええ「ヤダ」そんなー」


思わず三人で顔を見合わせて、リィオは一人ちょうどいい人物思いつく。

「・・・・・・・・・エドワード」
「いえ、私は一人で」

手を置いた小さな肩が跳ねた。エドワードは姿を探ってくることもないだろうしアランならば共にいても気を遣わずにすむ。


「・・・しゃーないアルちゃんで我慢するわ」



「・・・」


「・・・よろしくおねがいします」


ナナシとアルヴィスが去って諦めたのかエドワードが小さく頭を下げた。


(2016/05/05)