流水
ある夏の日。 いつものように朝のジョギング中に咲さんに会った。
しかし、今日は少し咲さんの様子がおかしかった。
―――ジー
穴が開きそうなほど、咲さんが僕を見ている。
僕の顔に何かついているのだろうか?
「あの・・・「・・・凍季也君って涼しげだよね」」
咲さんはそう言った。 その感想自体はよく言われる物だ。
「触っていい?」
「・・・はい?」
咲さんは手を伸ばすと、僕の髪を一房つかんだ。
「・・・え?」
「冷たいかと思って」
僕の髪がと言う事か。
「水の色してるから、綺麗だね」
微笑んでそう言った。
―――咲さんの方がよっぽどきれいだ
(凍季也君赤いけど大丈夫?)
(・・・いえ、大丈夫です)
(2014/06/22)
元拍手のおまけ。