『約束だよ?』
うん。約束だよ。
絶対に、守ってみせるから。
いつもと同じ、退屈な授業。
「うわぁぁぁぁぁぁ!」
それは烈火の叫び声で変わる。私は窓の外から視線を教師に戻した。
案の定顔を真っ赤にしている。教師はは廊下へ烈火を追い出し、授業に戻った。
私は烈火の消えたほうを見ながら、なにがあったんだろう・・・とぼんやり考えた。
その後授業が終わり、廊下から無事生還した烈火に私は話を聞いた。
何があったのか・・・と。
「あー、実はな・・・」
それから、信じられないことを聞いた。
影法師と名乗る黒ずくめの女の話。
女は烈火のことを「私を殺すことができる坊や」と言ったらしい。
烈火と”姫”を襲ったその女は・・・もしかしたら。ありえない話ではないだろう。
「霧月?どうしたんだよ」
「いや・・・なんでもないよ。
で?姫って誰?女の子に負けたの?烈火」
「いや、負けたわけじゃねぇんだけどよ。
なんつーか・・・なりたかったから!」
ニカッと笑って烈火はそういった。まぁ、烈火らしい理由だけどね。それに、女の子に負けるほど烈火は弱くないか・・・。
それにしても、その姫とやらが気になるなぁ。
烈火が忍になるくらいだし、そうとういい子なんだろうな。
「で、”姫”って誰?」
「えっと、佐古下ってやつ」
佐古下?佐古下・・・ねぇ。誰だ?聞いたことないぞ。
「霧月!A組いくぞ!」
「A組ね、OK!行こう!!」
A組かぁ・・・。
烈火はA組に着くなり声を張り上げた。私は思わず耳をふさぐ。クラス中の視線が烈火に向いた。
烈火はそんなことにかまわず”姫”という女の子の元へ向かう。
「おはよー!姫」
「おは、おはは・・・おはようございます烈火君、と誰ですか?」
どもりながら答えたのは、長い髪の女の子。優しそうな雰囲気のどうみたって烈火とつりあわない優等生。
私を見てぺこりっと頭を下げた。
「私は緋影 霧月!よろしく」
それに習い私も頭を下げる。そして、右手を差し出した。柳姫は戸惑いがちに手を握る。
「私は佐古下 柳です。よろしくお願いします」
「あはは、敬語じゃなくっていいよ柳姫。
同い年なんだしさ」
「あっ、はい・・・」
ちょっとおどおどしているが頷いてくれた。そして、ふと頭をよぎる疑問。
「ねぇ、烈火」
「なんだ?」
ちょうどいいタイミングで。教室に入って来た人影。
「このこと、土門たちに説明した?」
その人の手が烈火に伸びる。その表情からは不機嫌さがみてとれた。
「してな・・・」
してない、と言いかけた烈火の言葉はつむがれることはなかった。石島 土門によって烈火がなげられたから。
派手な音が教室内に響く。再び烈火に視線が刺さった。
「ちょっ・・・・やめてください、なんなんですか!烈火くんなにもしてないじゃないですか!!」
柳姫が土門を止めに行く。止めたほうがいいのかとも思ったが土門は柳姫みたいな子に殴りかかったりはしないだろう。
案の定土門はコレに負けたのか?と柳姫を指差す。ワケありと言う烈火に理由を聞くが、烈火ははぐらかした。
そして、切れた土門が烈火に向かって重大発言をする。
「 風 子 が 『 ぶ っ 殺 す 』 っ て よ ! 」
その言葉に私と烈火が止まった。そして、顔を見合わせ頷く。その時私達の心は一つになった。
”逃げよう!!(柳)姫を連れて!!”
烈火が柳姫の右手を私が左手を、それぞれ掴んで走り出した。風子に見つかる前に!
(掲載日不明)
うん。約束だよ。
絶対に、守ってみせるから。
00.烈火の姫
いつもと同じ、退屈な授業。
「うわぁぁぁぁぁぁ!」
それは烈火の叫び声で変わる。私は窓の外から視線を教師に戻した。
案の定顔を真っ赤にしている。教師はは廊下へ烈火を追い出し、授業に戻った。
私は烈火の消えたほうを見ながら、なにがあったんだろう・・・とぼんやり考えた。
その後授業が終わり、廊下から無事生還した烈火に私は話を聞いた。
何があったのか・・・と。
「あー、実はな・・・」
それから、信じられないことを聞いた。
影法師と名乗る黒ずくめの女の話。
女は烈火のことを「私を殺すことができる坊や」と言ったらしい。
烈火と”姫”を襲ったその女は・・・もしかしたら。ありえない話ではないだろう。
「霧月?どうしたんだよ」
「いや・・・なんでもないよ。
で?姫って誰?女の子に負けたの?烈火」
「いや、負けたわけじゃねぇんだけどよ。
なんつーか・・・なりたかったから!」
ニカッと笑って烈火はそういった。まぁ、烈火らしい理由だけどね。それに、女の子に負けるほど烈火は弱くないか・・・。
それにしても、その姫とやらが気になるなぁ。
烈火が忍になるくらいだし、そうとういい子なんだろうな。
「で、”姫”って誰?」
「えっと、佐古下ってやつ」
佐古下?佐古下・・・ねぇ。誰だ?聞いたことないぞ。
「霧月!A組いくぞ!」
「A組ね、OK!行こう!!」
A組かぁ・・・。
烈火はA組に着くなり声を張り上げた。私は思わず耳をふさぐ。クラス中の視線が烈火に向いた。
烈火はそんなことにかまわず”姫”という女の子の元へ向かう。
「おはよー!姫」
「おは、おはは・・・おはようございます烈火君、と誰ですか?」
どもりながら答えたのは、長い髪の女の子。優しそうな雰囲気のどうみたって烈火とつりあわない優等生。
私を見てぺこりっと頭を下げた。
「私は緋影 霧月!よろしく」
それに習い私も頭を下げる。そして、右手を差し出した。柳姫は戸惑いがちに手を握る。
「私は佐古下 柳です。よろしくお願いします」
「あはは、敬語じゃなくっていいよ柳姫。
同い年なんだしさ」
「あっ、はい・・・」
ちょっとおどおどしているが頷いてくれた。そして、ふと頭をよぎる疑問。
「ねぇ、烈火」
「なんだ?」
ちょうどいいタイミングで。教室に入って来た人影。
「このこと、土門たちに説明した?」
その人の手が烈火に伸びる。その表情からは不機嫌さがみてとれた。
「してな・・・」
してない、と言いかけた烈火の言葉はつむがれることはなかった。石島 土門によって烈火がなげられたから。
派手な音が教室内に響く。再び烈火に視線が刺さった。
「ちょっ・・・・やめてください、なんなんですか!烈火くんなにもしてないじゃないですか!!」
柳姫が土門を止めに行く。止めたほうがいいのかとも思ったが土門は柳姫みたいな子に殴りかかったりはしないだろう。
案の定土門はコレに負けたのか?と柳姫を指差す。ワケありと言う烈火に理由を聞くが、烈火ははぐらかした。
そして、切れた土門が烈火に向かって重大発言をする。
「 風 子 が 『 ぶ っ 殺 す 』 っ て よ ! 」
その言葉に私と烈火が止まった。そして、顔を見合わせ頷く。その時私達の心は一つになった。
”逃げよう!!(柳)姫を連れて!!”
烈火が柳姫の右手を私が左手を、それぞれ掴んで走り出した。風子に見つかる前に!
(掲載日不明)