Eternal Oath

私も決めなきゃならない。

戦いが始まる前に。

03.覚悟


すべてが終わり、烈火達が陽炎にかまえる。

「ぶっ殺す」

土門が言う。

無理よ・・・無理。
絶対に。

だって。


「殺す?それは無理よ」

陽炎が自ら動脈を切る。
それでも死なない・・・いや、死ねない。


時空流離の副作用、陽炎は不死身なのだから。


そしてそのまま陽炎は、姿を消した。



「・・・帰ろうか

みんな無事だし!」

私は空気を変えるため、明るく声を出す。

「そう・・・だな」

もっとも、日は昇り始めているため帰宅は教科書等を取りに帰るためだけになるだろうが。



―――


数日後、私は陽炎と会った。

みんなはどうやら烈火の家にいるようだ(私も風子に誘われたが断ってきた)。

「久しぶり。陽炎」


・・・陽炎に会うために。


霧月・・・この間はありがとう」

「いや。

で、どうゆうこと?」


陽炎はむやみに人を気づつけるような人じゃない。
きっと、理由があるはず。


「烈火はいづれ、大きな戦いに巻き込まれるわ。

そのために・・・」
「戦い?」

「紅麗もこの時代に居るわ」



嘘。

・・・嘘だ。


「・・・・・紅・麗・・が?」
「えぇ」

紅麗は烈火に気づいたら殺そうとするだろう。

だから、風子目をつけた。
彼女に風神をあたえたのは、いづれ彼女が烈火の支えになりえる人物だから。

そうゆう、ことか。


「風子を仲間にしたかったのか」
「えぇ・・・それと後二人」

二人?

「石島土門。

そして、水鏡凍季也」
「ちょっ、土門はともかく水鏡って誰?」

「彼は」

水鏡という人物は、うちの高校の二年生。
閻水を持っているらしい。

そして、亡き姉そっくりな柳姫に心を寄せている。


「私は、烈火に・・・」

陽炎が口ごもる。

烈火に傷ついて欲しくないんだろう。
そのために、人を戦いに巻き込む。

他人を巻き込むことへの罪悪感。



他人など切り捨ててしまえばいい。
烈火が一番大切なのだと。
しかし、彼女はそれにができない。


「陽炎はさ、忍には向いてないよね


・・・でも、そんな陽炎が私は好きだよ」



だって、それが陽炎のよさだと思うから。


それでも三人を巻き込んだ。
これは、彼女が烈火を殺させないという覚悟。


霧月・・・あなたはどうするの?」

「私は・・・どっちにも死んで欲しくない。
だから、二人とも死なないような道を歩むよ」

烈火と紅麗だけじゃない。
陽炎も風子も土門も柳姫もみんなみんな生きてて欲しい。

風子や土門もこの数年で私にとって大切な人になったから。


わがままかもしれない。

甘い考えなのかもしれない。

それでも、死なせない。
それが、私の覚悟。


(2011/08/03)