しばしの別れ。
また今度。
「腕一本」
それは竜―裂神―に烈火が差し出す贄。
裂神もそれを受け入れる。
”腕一本を代償に一度きりの主従関係”
それが交渉内容。
「翔べ!!」
烈火が裂神に命令する。
瞬間、裂神が紅麗を討つ。
「紅麗!」
「霧月!」
思わず飛び出しそうになった私を止めたのは陽炎。
「ごめ・・・ありがとう」
・・・・大丈夫。紅麗は死なない。
「こんなものか?」
紅麗が立ち上がった。
私はこっそりと安堵の息を吐く。
「あ・・・」
「どうしたの?」
気配がする。
結構強い・・・三人?いや四人か。
その四人は壁を突き破り紅麗を迎えにきたみたいだった。
誰かの命令で。
「帰れ!雷覇!殺されたいか?」
「なりませぬ」
紅麗はひどく苛立たしげに、その迎えの人に言う。
しかし、雷覇と呼ばれたその人は、静かに頭を振った。
それに紅麗は踵を返す。
「命拾いしたな烈火―――今回はここで引いてやる」
帰るのか。
これ以上は紅麗があぶなかったのかもしれない。
烈火はともかく、あの竜達はあまりに 危 険 だ 。
” 元 気 で ”
私は口パクで紅麗にそれを伝える。
通じてればいいな。
紅麗が去り、緊張のほぐれる柳姫や風子達。
しかし、私はそうではなかった。
「裂神!きたねー腕だけどもらってくれや」
そう契約が残ってる。
烈火が右腕をあげる。
しかし、それを止めたのは柳姫。
”自分のせいだから”とそう言って自分の腕を差し出すという。
続くように風子も土門もそれぞれ続ける。
水鏡は唯一裂神を倒そうと剣を構える。
それぞれが、烈火を案じていた。
裂神はそれを見、約束は反故(?)にしてくれた。
正確に言うと、烈火が負ければ全身を食らうということになっただけだが。
なんにせよ。
「お疲れ、みんな」
「霧月!さっきの・・・」
「後で!後で陽炎と一緒に話すから!!」
ぶっちゃけめんどくさいな。
そう思ったのは内緒。
うん内緒。
(2011/08/19)
また今度。
11.一時の別れ
「腕一本」
それは竜―裂神―に烈火が差し出す贄。
裂神もそれを受け入れる。
”腕一本を代償に一度きりの主従関係”
それが交渉内容。
「翔べ!!」
烈火が裂神に命令する。
瞬間、裂神が紅麗を討つ。
「紅麗!」
「霧月!」
思わず飛び出しそうになった私を止めたのは陽炎。
「ごめ・・・ありがとう」
・・・・大丈夫。紅麗は死なない。
「こんなものか?」
紅麗が立ち上がった。
私はこっそりと安堵の息を吐く。
「あ・・・」
「どうしたの?」
気配がする。
結構強い・・・三人?いや四人か。
その四人は壁を突き破り紅麗を迎えにきたみたいだった。
誰かの命令で。
「帰れ!雷覇!殺されたいか?」
「なりませぬ」
紅麗はひどく苛立たしげに、その迎えの人に言う。
しかし、雷覇と呼ばれたその人は、静かに頭を振った。
それに紅麗は踵を返す。
「命拾いしたな烈火―――今回はここで引いてやる」
帰るのか。
これ以上は紅麗があぶなかったのかもしれない。
烈火はともかく、あの竜達はあまりに 危 険 だ 。
” 元 気 で ”
私は口パクで紅麗にそれを伝える。
通じてればいいな。
紅麗が去り、緊張のほぐれる柳姫や風子達。
しかし、私はそうではなかった。
「裂神!きたねー腕だけどもらってくれや」
そう契約が残ってる。
烈火が右腕をあげる。
しかし、それを止めたのは柳姫。
”自分のせいだから”とそう言って自分の腕を差し出すという。
続くように風子も土門もそれぞれ続ける。
水鏡は唯一裂神を倒そうと剣を構える。
それぞれが、烈火を案じていた。
裂神はそれを見、約束は反故(?)にしてくれた。
正確に言うと、烈火が負ければ全身を食らうということになっただけだが。
なんにせよ。
「お疲れ、みんな」
「霧月!さっきの・・・」
「後で!後で陽炎と一緒に話すから!!」
ぶっちゃけめんどくさいな。
そう思ったのは内緒。
うん内緒。
(2011/08/19)