火影の初戦は『空』というチームとの対戦だった。
一回戦目では凍季也が棒使いの大黒を倒した。
二回戦目では土門が軟体な体を使い戦う南尾相手に嘴王を用いるが引き分け。
そして、三回戦目・・・
「へぇ・・・」
すごく、私の機嫌が・・・悪いです。
「霧月、落ち着け」
「落 ち 着 い て る よ ?」
ああ、あいつを消せるくらいは。
舞台の上では、風子と『空』の鎌使い藤丸が戦っていた。
その藤丸ってやつが屑の屑で。
風子をストリップしてから殺すとか言ってて、実際服剥いでて・・・。
いや、風子もタダで剥がれてるわけではないんだけれど。
風子は、風神の核の部分に爪の核を入れて、風の爪を作り出したり(ぶっちゃけ、すごくビビった)。
ただ、藤丸の正確がずる賢くて。
風子はおされていた。
服ももう、下着の代わりに着ていた水着一枚になっている。
「我、風の爪に命令する
奴を追撃せよ!」
風子が、風の爪を藤丸に投げつける。
「あんな事まで出来るのか」
「彼女は、すごいわね」
「うん」
火影のだれしもがしなかった使い方。
現代ならではの発想なのかもしれない使い方。
切り離された爪を難なく藤丸はかわす。
「・・・殺せよ」
風子が諦めた声を出した。
逆に藤丸はうれしそうに口角を上げる。
「風子!!!」
私は、走りだそうとして、一つ気づく。
・・・風子は諦めてない。
空中で、爪が翻った。
「まだだよ、ストリップだぁ」
にしても、藤丸気にくわないな。
い つ か 消 す 。
風子が水着を脱ぐ演技をする。
「ふふ、あはははは・・・・」
爪が藤丸に迫る。
でも、風子に気を取られてるから気付かない。
―――ヒュッ
「ぐぎゃぁぁぁ」
「おっしゃぁ!」
思わず声をあげてしまったのは仕方がない。
だって、藤丸キライ。
本当キライ。
まぁ、結果から言うと、この試合は風子が勝った。
この後泣き落した藤丸の嘘に切れた風子がぶっ飛ばしたからだ。
『勝者風子!』
「殺しちゃえばいいのに」
「霧月!?」
ま、仕方ないか。
これで懲りただろうし。
消すだけならいつでもできるし。
「霧月の番よ。
落ち着いてね」
「大丈夫、落ち着いてるよ」
「楽しみだわ。霧月がどれだけ強くなっているのか」
私は陽炎にニッて笑って歩みを前に進める。
―――パァン
私と風子がタッチする音が響いた。
・・・次は私の番よ。
「不快な思いをさせてしまったことをお詫びします。
でも、信じてください!
少なくとも我ら『空』が求めるのは決してただの殺戮ではない
純粋な強さです」
『副将戦、『空』最澄!!』
私の相手は、随分少年に見えた。
見た目は。
「いいか、最澄15分だ」
「はい・・・勝ちます」
なにかあるのか、それともなめられているのか。
15分で試合を終わらせろと向こうの大将は最澄に言っている。
「別に、みんながみんなあんな屑だとは思ってませんよ?」
『『火影』霧月!!
副将戦始め!!!』
「いきますよ、水沫」
腕を撫で、水沫に言う。
久々の本気の戦い・・・ですから。
「ちょっと待ってください」
「なんですか?」
私を止め最澄は、折り紙を始める。
やがて出来上がった折鶴は、空を飛ぶ。
「これが僕の力です」
そうか、最澄が『空』のNo.2である所以は魔導具のせいだろう。
「式紙・・・か」
それにしても、試合前に自分の力を見せるとは。
私もなめられてるんでしょうか。
でもいい。
「そうね
では、私も一つだけ力を見せましょう?
力を隠してて勝ったとか言われたくないですもの」
右手で描くは”火沫”の文字。
「行きますよ
弾けなさい―――火沫」
私の指さす方。
紅麗の館に居た女のいるほうに、私は火の花弁を飛ばす。
それは目的物に当たると、花火のように弾けた。
「さて、行きますよ?」
最澄が身構える。
私ももう一度”火沫”の文字を描く。
「集まりなさい」
浮かぶ花弁は集まれば、最澄の攻撃から私を守る盾となり。
「舞いなさい」
散れば僅かに空間を照らし、触れるものを燃やす。
「きれー」
誰とも言わずに呟く。
綺麗でしょう?
私もそう思いますよ。
「布晒!」
舞い散る炎の花弁から、最澄は気で包んだ紙で身を守る。
けれど、そんなの何の障害にだってなりはしない。
「切り裂きなさい」
私の言葉に合わせるように、花弁は動きを変え。
まっすぐに、最澄に向かっていく。
時にはその白い肌を切り裂き、布晒に当たれば弾ける。
「ぐっ」
最澄が膝をつく。
起きようと頑張るが、決して立ち上がれる事はなく。
『勝者!霧月!』
あら?
なんか、全然力だせなかったなぁ。
「大丈夫?ごめん、やりすぎたかも」
「いえ・・・試合ですから
あの、口調どうしたんですか?」
「あ、口調変わるのは癖
最澄は・・・立てないよね?」
私は最澄を横抱きにする。
「すみません」
「いえ、なんかごめんなさい
そういや、最初の15分ってなんだったの?」
彼を空の大将まで届けると、意外な言葉を耳にする。
最澄は心臓病だということ。
(2011/09/18)
一回戦目では凍季也が棒使いの大黒を倒した。
二回戦目では土門が軟体な体を使い戦う南尾相手に嘴王を用いるが引き分け。
そして、三回戦目・・・
15.初戦
「へぇ・・・」
すごく、私の機嫌が・・・悪いです。
「霧月、落ち着け」
「落 ち 着 い て る よ ?」
ああ、あいつを消せるくらいは。
舞台の上では、風子と『空』の鎌使い藤丸が戦っていた。
その藤丸ってやつが屑の屑で。
風子をストリップしてから殺すとか言ってて、実際服剥いでて・・・。
いや、風子もタダで剥がれてるわけではないんだけれど。
風子は、風神の核の部分に爪の核を入れて、風の爪を作り出したり(ぶっちゃけ、すごくビビった)。
ただ、藤丸の正確がずる賢くて。
風子はおされていた。
服ももう、下着の代わりに着ていた水着一枚になっている。
「我、風の爪に命令する
奴を追撃せよ!」
風子が、風の爪を藤丸に投げつける。
「あんな事まで出来るのか」
「彼女は、すごいわね」
「うん」
火影のだれしもがしなかった使い方。
現代ならではの発想なのかもしれない使い方。
切り離された爪を難なく藤丸はかわす。
「・・・殺せよ」
風子が諦めた声を出した。
逆に藤丸はうれしそうに口角を上げる。
「風子!!!」
私は、走りだそうとして、一つ気づく。
・・・風子は諦めてない。
空中で、爪が翻った。
「まだだよ、ストリップだぁ」
にしても、藤丸気にくわないな。
い つ か 消 す 。
風子が水着を脱ぐ演技をする。
「ふふ、あはははは・・・・」
爪が藤丸に迫る。
でも、風子に気を取られてるから気付かない。
―――ヒュッ
「ぐぎゃぁぁぁ」
「おっしゃぁ!」
思わず声をあげてしまったのは仕方がない。
だって、藤丸キライ。
本当キライ。
まぁ、結果から言うと、この試合は風子が勝った。
この後泣き落した藤丸の嘘に切れた風子がぶっ飛ばしたからだ。
『勝者風子!』
「殺しちゃえばいいのに」
「霧月!?」
ま、仕方ないか。
これで懲りただろうし。
消すだけならいつでもできるし。
「霧月の番よ。
落ち着いてね」
「大丈夫、落ち着いてるよ」
「楽しみだわ。霧月がどれだけ強くなっているのか」
私は陽炎にニッて笑って歩みを前に進める。
―――パァン
私と風子がタッチする音が響いた。
・・・次は私の番よ。
「不快な思いをさせてしまったことをお詫びします。
でも、信じてください!
少なくとも我ら『空』が求めるのは決してただの殺戮ではない
純粋な強さです」
『副将戦、『空』最澄!!』
私の相手は、随分少年に見えた。
見た目は。
「いいか、最澄15分だ」
「はい・・・勝ちます」
なにかあるのか、それともなめられているのか。
15分で試合を終わらせろと向こうの大将は最澄に言っている。
「別に、みんながみんなあんな屑だとは思ってませんよ?」
『『火影』霧月!!
副将戦始め!!!』
「いきますよ、水沫」
腕を撫で、水沫に言う。
久々の本気の戦い・・・ですから。
「ちょっと待ってください」
「なんですか?」
私を止め最澄は、折り紙を始める。
やがて出来上がった折鶴は、空を飛ぶ。
「これが僕の力です」
そうか、最澄が『空』のNo.2である所以は魔導具のせいだろう。
「式紙・・・か」
それにしても、試合前に自分の力を見せるとは。
私もなめられてるんでしょうか。
でもいい。
「そうね
では、私も一つだけ力を見せましょう?
力を隠してて勝ったとか言われたくないですもの」
右手で描くは”火沫”の文字。
「行きますよ
弾けなさい―――火沫」
私の指さす方。
紅麗の館に居た女のいるほうに、私は火の花弁を飛ばす。
それは目的物に当たると、花火のように弾けた。
「さて、行きますよ?」
最澄が身構える。
私ももう一度”火沫”の文字を描く。
「集まりなさい」
浮かぶ花弁は集まれば、最澄の攻撃から私を守る盾となり。
「舞いなさい」
散れば僅かに空間を照らし、触れるものを燃やす。
「きれー」
誰とも言わずに呟く。
綺麗でしょう?
私もそう思いますよ。
「布晒!」
舞い散る炎の花弁から、最澄は気で包んだ紙で身を守る。
けれど、そんなの何の障害にだってなりはしない。
「切り裂きなさい」
私の言葉に合わせるように、花弁は動きを変え。
まっすぐに、最澄に向かっていく。
時にはその白い肌を切り裂き、布晒に当たれば弾ける。
「ぐっ」
最澄が膝をつく。
起きようと頑張るが、決して立ち上がれる事はなく。
『勝者!霧月!』
あら?
なんか、全然力だせなかったなぁ。
「大丈夫?ごめん、やりすぎたかも」
「いえ・・・試合ですから
あの、口調どうしたんですか?」
「あ、口調変わるのは癖
最澄は・・・立てないよね?」
私は最澄を横抱きにする。
「すみません」
「いえ、なんかごめんなさい
そういや、最初の15分ってなんだったの?」
彼を空の大将まで届けると、意外な言葉を耳にする。
最澄は心臓病だということ。
(2011/09/18)