「はい?」
「すいません」
本日二回戦が行われる予定だったのですが、リング修正中なよう。
「めんどくせーな!いいじゃねぇか!」
せっかちな烈火は審判のお姉さんに、文句をつける。
お姉さんはちょっと心外そうな顔をした。
「原因のほとんどがあなた達だと言うことをお忘れなく」
「あせるんじゃないよぉ」
後ろから女の人の声。
髪の長い紅麗の館にいた女性がそこにいた。
綺麗な人だなぁ。
「あの石のリングが君たちの墓石になるんだ。
キレイなほうがいいだろう?」
・・・言ってることは碌でもないけどね。
墓石にはさせないしスルーしとこ。
って、烈火殺気!!
「おまえ・・・紅麗の館にいた女だな?」
にらみながら、烈火が確認する。
「そうよぉ、十神衆の一人音遠よよろしく」
「よろしく?でいいの?」
私が問うと、キッて睨まれた。
え?私何かした?
「あんた、なんなのさ!」
それをみた風子が、音遠さんに食ってかかった。
「あんたに紅麗様がようがあるんだってさ!!」
指を刺されて怒鳴られた。
ああ、そう言えばあいたいって言われてたわ。
なんで、怒鳴るんだろ?
「あ~、うん
ごめん、烈火、風子行ってくる」
「なんでだよ!」
「いや、会いたいから?」
「霧月!?」
風子は心配そうにこちらを見る。
大丈夫だよ。
「大丈夫、大丈夫」
笑って手を振った。
遠音さんはすっごく嫌そうな目でこちらを見てくる。
「さっさとしな!」
「はーいっ」
いら立つ音遠さんの後に私は続く。
眉間にしわを寄せたまま音遠さんは黙って歩きつづけた。
「・・・」
「音遠さん?」
「・・・・・・なにさ」
「私なにかしました?」
「・・・・・・・・・・・別に」
じゃあ、なんでそんなに殺気だしてるの!?
気まずい空気のままD闘技場へついた。
闘技場を抜け、人気のない導夢の裏。
そこに紅麗はいた。
「連れてきました」
「御苦労・・・さがれ」
「はい・・・」
―――ああ。
―――わかった。
「音遠さん・・・ごめんなさい」
下がる彼女の背に私は呟いた。
どうして彼女の機嫌が悪かったのか、どうして彼女が私を嫌うのか、全部分かったから。
「いい・・・人だね。音遠さん」
「そうか?」
「うん、大切にしてあげて?」
私のしらない、彼を大切にしている人。
紅麗を理解してくれてる人。
「安心した」
「なにがだ?」
「ん~ん。なんでも。
で、用って何?」
えらく機嫌よく私は言う。
私は知ったから。
「ああ、明日会わせたい人がいるんだが・・・」
「会わせたい人?」
「私の母上だ」
―――二人の、紅麗を大切にしてくれた人。
(2011/09/25)
「すいません」
本日二回戦が行われる予定だったのですが、リング修正中なよう。
17.大切にしてくれた人
「めんどくせーな!いいじゃねぇか!」
せっかちな烈火は審判のお姉さんに、文句をつける。
お姉さんはちょっと心外そうな顔をした。
「原因のほとんどがあなた達だと言うことをお忘れなく」
「あせるんじゃないよぉ」
後ろから女の人の声。
髪の長い紅麗の館にいた女性がそこにいた。
綺麗な人だなぁ。
「あの石のリングが君たちの墓石になるんだ。
キレイなほうがいいだろう?」
・・・言ってることは碌でもないけどね。
墓石にはさせないしスルーしとこ。
って、烈火殺気!!
「おまえ・・・紅麗の館にいた女だな?」
にらみながら、烈火が確認する。
「そうよぉ、十神衆の一人音遠よよろしく」
「よろしく?でいいの?」
私が問うと、キッて睨まれた。
え?私何かした?
「あんた、なんなのさ!」
それをみた風子が、音遠さんに食ってかかった。
「あんたに紅麗様がようがあるんだってさ!!」
指を刺されて怒鳴られた。
ああ、そう言えばあいたいって言われてたわ。
なんで、怒鳴るんだろ?
「あ~、うん
ごめん、烈火、風子行ってくる」
「なんでだよ!」
「いや、会いたいから?」
「霧月!?」
風子は心配そうにこちらを見る。
大丈夫だよ。
「大丈夫、大丈夫」
笑って手を振った。
遠音さんはすっごく嫌そうな目でこちらを見てくる。
「さっさとしな!」
「はーいっ」
いら立つ音遠さんの後に私は続く。
眉間にしわを寄せたまま音遠さんは黙って歩きつづけた。
「・・・」
「音遠さん?」
「・・・・・・なにさ」
「私なにかしました?」
「・・・・・・・・・・・別に」
じゃあ、なんでそんなに殺気だしてるの!?
気まずい空気のままD闘技場へついた。
闘技場を抜け、人気のない導夢の裏。
そこに紅麗はいた。
「連れてきました」
「御苦労・・・さがれ」
「はい・・・」
―――ああ。
―――わかった。
「音遠さん・・・ごめんなさい」
下がる彼女の背に私は呟いた。
どうして彼女の機嫌が悪かったのか、どうして彼女が私を嫌うのか、全部分かったから。
「いい・・・人だね。音遠さん」
「そうか?」
「うん、大切にしてあげて?」
私のしらない、彼を大切にしている人。
紅麗を理解してくれてる人。
「安心した」
「なにがだ?」
「ん~ん。なんでも。
で、用って何?」
えらく機嫌よく私は言う。
私は知ったから。
「ああ、明日会わせたい人がいるんだが・・・」
「会わせたい人?」
「私の母上だ」
―――二人の、紅麗を大切にしてくれた人。
(2011/09/25)