Eternal Oath

「はい?」
「すいません」

本日二回戦が行われる予定だったのですが、リング修正中なよう。

17.大切にしてくれた人


「めんどくせーな!いいじゃねぇか!」

せっかちな烈火は審判のお姉さんに、文句をつける。
お姉さんはちょっと心外そうな顔をした。


「原因のほとんどがあなた達だと言うことをお忘れなく」
「あせるんじゃないよぉ」


後ろから女の人の声。

髪の長い紅麗の館にいた女性がそこにいた。
綺麗な人だなぁ。


「あの石のリングが君たちの墓石になるんだ。
キレイなほうがいいだろう?」


・・・言ってることは碌でもないけどね。
墓石にはさせないしスルーしとこ。

って、烈火殺気!!


「おまえ・・・紅麗の館にいた女だな?」


にらみながら、烈火が確認する。


「そうよぉ、十神衆の一人音遠よよろしく」
「よろしく?でいいの?」


私が問うと、キッて睨まれた。
え?私何かした?


「あんた、なんなのさ!」


それをみた風子が、音遠さんに食ってかかった。


「あんたに紅麗様がようがあるんだってさ!!」


指を刺されて怒鳴られた。
ああ、そう言えばあいたいって言われてたわ。

なんで、怒鳴るんだろ?


「あ~、うん
ごめん、烈火、風子行ってくる」
「なんでだよ!」
「いや、会いたいから?」

霧月!?」


風子は心配そうにこちらを見る。
大丈夫だよ。


「大丈夫、大丈夫」


笑って手を振った。
遠音さんはすっごく嫌そうな目でこちらを見てくる。


「さっさとしな!」
「はーいっ」


いら立つ音遠さんの後に私は続く。

眉間にしわを寄せたまま音遠さんは黙って歩きつづけた。


「・・・」
「音遠さん?」

「・・・・・・なにさ」
「私なにかしました?」

「・・・・・・・・・・・別に」


じゃあ、なんでそんなに殺気だしてるの!?


気まずい空気のままD闘技場へついた。
闘技場を抜け、人気のない導夢の裏。

そこに紅麗はいた。


「連れてきました」
「御苦労・・・さがれ」

「はい・・・」


―――ああ。
―――わかった。


「音遠さん・・・ごめんなさい」


下がる彼女の背に私は呟いた。
どうして彼女の機嫌が悪かったのか、どうして彼女が私を嫌うのか、全部分かったから。


「いい・・・人だね。音遠さん」
「そうか?」

「うん、大切にしてあげて?」


私のしらない、彼を大切にしている人。

紅麗を理解してくれてる人。


「安心した」
「なにがだ?」
「ん~ん。なんでも。

で、用って何?」


えらく機嫌よく私は言う。

私は知ったから。


「ああ、明日会わせたい人がいるんだが・・・」
「会わせたい人?」

「私の母上だ」


―――二人の、紅麗を大切にしてくれた人。


(2011/09/25)